見出し画像

スト6のドライブシステムは個性に寛容な神システムなのではという話

何を書きたいかあんまりまとまってないけどざっくり書いていく。

そもそもゲームの面白さとは、自分は「プレイヤーの個性が出ること」だと思っている。諸説あるだろうけど。同じゲームなのに出した答えが違う、そのどれもが正しそうに見える。違う意見同士が同じ土俵に立って殴り合う、それが面白いなと思う。見ていてもやっていても。

個性とは何か。能力の違いである。得意不得意の違いである。ゲームのプレイにおいては、「この人しかできないプレイがある」というやつである。トッププレイヤーでなくて、仲間内でやってても「こいつはこれはめちゃくちゃうまいのにあれは全然できない」みたいなのがあると面白かったりする。

理論上は、どんなプレイヤーでも練習していけば同じ動きに辿り着くはずである。必勝法は一つしかない。ゲームが完全に極まったら、誰もが同じ戦い方になるものである。ゲームが本当に極まったら個性の入る余地はなくなる。例えばマルバツゲームはそうである。わかっていれば、誰がやっても引き分けになる。当たり前だけど。後はジャンケンもあんまり個性が出ない。良い感じにグーチョキパーを1/3ずつ出せば良い。ただしこれはマルバツゲームと比べるとちょっと個性が出る。それでもずっとグーを出す人とかパーを全然出さない人というのは存在しない(もし勝とうと思うのであれば)。

ただし格闘ゲームにおいては、現状プレイヤーの個性がめちゃくちゃある。sakoさんしかできないコンボがあったり、どぐらは対空が出なかったり、ウメハラは弾撃ちがうまかったり、ボンちゃんはヒット確認が上手かったりする。人によってできることとできないことに差がある。何なら使っているキャラも違う。

じゃあみんなまだ攻略が追い付いていないのか? 練習不足なのか? まだまだできることややるべきことがあるのにできていないのか? 答えは半分イエス半分ノーである。彼らは誰よりも練習している。ゲームが複雑すぎるのである。言い方を直すと、ストリートファイターⅤというゲームは何十人もの人がほとんど生活を捧げて攻略しても正解がまだわからないか習得しきれないくらい、十分に奥深いゲームだということである。何万時間も練習してきたのにまだできていないことや知らないことがある。誰にもある。

ということで個性が出る。プレイヤーの個性とは何か。それは「完全なプレイヤーは存在しない」という前提の中で、何ができて何ができないか、何を知っていて何を知らないか、という偏りの違いである。ずっと練習してきたのは全員同じである。その中で、「どこを練習してきたか」が違っている。例えるなら、ストⅤの上手さを測るのに10項目あってそれぞれ10ポイント割り振れるとする。練習して全部が10ポイントずつの100点満点になればそれでこのゲームでやるべきことは全部出来ている、とする。ただし1年練習するごとに5ポイントしか割り振れないとしたら? 今はストⅤが出て6年目である。合計点は全員30ポイントになる。これをどこに振ったかが個性になる。3つの項目が満点で他がからっきしの人もいれば、全部の項目に3ポイントずつ振った人もいるだろう。半分の項目は捨てて残りに6ポイントずつというのもある。これがもし2項目しかなくてそれぞれ5ポイントで満点になるゲームだったら2年でみんな同じ動きにたどり着いてしまう。練習しきれないからこそ、何を練習したかに差が出るわけである。


さてここでドライブシステムの話をします。

ドライブシステムは見るからに複雑である。特にドライブラッシュがヤバそうで、ドライブラッシュ後は技の硬直差とかノックバックがちょっと変化しているらしい。つまり全部の技に対して「ドライブラッシュから出したらどうなるか」を調べる必要がある。また、逆に「この技をドライブラッシュでキャンセルしたらどうなるか」というのも調べる必要がある。例えば中足ヒット確認からキャンセルしたらその後確定があるのかないのか、ガードされて不利な技をドライブラッシュでキャンセルしたら状況はどうなるのかとか。そしてそれらを試合中どのキャラ相手にどんな場面で使うとその後どうなるのか。単純に調べるものの数が莫大に多い。そして実戦で使っていくには練習して技術を身に着ける必要もある。

次に複雑そうなのがドライブパリィである。まず発生が1Fでジャストパリィがあるので「見てからジャスト」が超強そうである。理論上、発生12F以上の技は全て見てからジャストパリィで取られる可能性がある。つまり全部の技の発生とモーションとジャスト取った後の反撃を調べる必要がある。さらにパリィは置きでも使える。近距離の読み合いでは発生1Fの当身はぶっぱで出しても脅威である。ガードにリスクのあるゲームで打撃に逆択でリターンを取れるのはかなり強力なので、近距離の受けでパリィという選択肢を詰めて考える必要がある。さらにパリィが空ぶった後は押しっぱなしで継続するという選択肢もある。何F継続するのか、どの状況でどのキャラ相手にやるのか、とか考えることはさらにある。

まだ複雑なものが残っている。ドライブリバーサルである。ゲージを2本使うが、ガード中に反撃できる。白ダメージだけど相手にダメージを与えることができるしラインも押し上げられる。これは使い方は一通りだけど、使える場面が抜群に多い。ガードしている最中は理論上常に選択肢に上がっている。まず全部の技に対して、ドライブリバーサルが確定するかどうかを調べる必要があるし、確定しなくてもキャンセルを絡めた連携に対してはリバーサルを検討する必要がある。さらにリバーサルする前と後とでどれくらい戦況が変わるかを見比べて、リバーサルすべき場面とすべきでない場面とを見分ける必要がある。

まだある。オーバードライブもけっこう複雑である。単純に必殺技の数だけ種類がある。通常の必殺技と比べて単純にダメージが上がるもの、状況が良くなるもの、硬直差が良くなるものなどある。オーバードライブがあるかないかを比べると単純に技がいくつか増えているわけで、当然その技を振ることができる場面では常に選択肢に上がる。コンボに組み込めるなら今使うべきかそうでないか、ダメージ効率はどうか。立ち回りで使えるオーバードライブ技なら、状況によってその技が強い場面と弱い場面が変わってくる。

最後に、ドライブインパクトに関してはそこまで複雑ではない。置き技に勝てそうなアーマー付きの技って感じである。ただしこれによって単純に技がひとつ増えているということになる。しかも特殊なステータス付きの大リターン技が。見てから返す手段はあるかもしれないが、当然様子見にもリスクはある。ドライブインパクトを使うということは、それを警戒して縮こまった相手をどう崩すかということも考えていく必要がある。また、アーマーを活かして相手の技を見てからインパクトを確定させるという場面もあるかもしれない。当然いろんな場面についてインパクトを検討して、中足波動の波動に割り込めないかとか調べていく必要がある。


一つ一つのシステムが既にかなり奥深くて極めるには時間がかかりそうなのに、それが五つある。
さて最も重要なのは、これらのシステムが「お互いにゲージを共有している」ことである。競合している。
つまりどういうことか。ドライブシステムのうち、全然使い方を知らないやつがあってもあんまり損をしないということである。

ストⅤで言えば、例えば高いコンボがあるのに難しくてできないという人は、単に損をしている。当たり前だがもっといいコンボがあるんならやったほうがいい。確定反撃があるのに逃している人がいたら、それも単に損である。確反は覚えたほうが良い。

ところがドライブシステムに関してはそうとも限らない。例えばオーバードライブを使えばもっと高いコンボが出せるのにそれを知らない人がいたとする。もちろんちょっとは損をしているが、オーバードライブを使わないことでゲージを節約することにもなっている。そしてそのゲージを違うところで使うことができる。
例えばドライブリバーサルが確定する場面があるのにそれを逃して近距離の固めに苦しんでいる人がいたとする。確定を知らないのはもちろん下手とか未熟である。ただしリバーサルを出さないことでゲージを抱えたままになって、それを例えばラッシュで有利状況を取るために使ったとすれば、それはリバーサルを使った人にはない利点である。

説明が難しい。極論、ゲージの使い道をひとつに絞ってしまうことも可能かもしれないということである。できないことがあっても、そもそも使う必要がなくなる。苦手な技術にはゲージを使わないで、得意な技術にゲージを使うことができる。苦手を得意で補うことができる、かもしれないのである。
例えば初心者のうちはインパクトをガンガン撃つことからゲームが始まるだろうと思う。上手くなってインパクトを控えてラッシュやリバーサルを使うようになったとして、総合的にはそっちのほうが仮に強いとしても、リバーサルを得る代わりにインパクトを振る機会を失っているわけである。10得て8失ったような感じである。

つまり何が言いたいか。今まで以上に個性の偏りが許容されるだろうということである。勝つために苦手な技術を練習しなければならないということが減って、得意な技術に特化させることが可能なのではないかと。
まあそんな夢を見ているわけであります。やりたくない技術は捨てて、その代わり使いたいところにゲージをいっぱい使える。
例えばsakoさんはたぶんドライブラッシュとオーバードライブですごい連携とかコンボを組んできて、そこでゲージ使うために近距離の凌ぎでパリィもリバーサルも使わず地力で耐えてそう。逆にウメハラはラッシュで速い展開作るとかインパクトぶっぱするとかは全然興味がなさそうで、渋くリバーサル確定させたり差し合いで弾をオーバードライブさせてたりしそう。
そういうことが今までより正当化されるゲームになるんじゃないかと思う。まあときどは全部まんべんなく使いそうだけど。

これがもしゲージが共有でなかったら、つまりインパクトにはインパクト専用のゲ―ジが2本あって、パリィにはパリィ専用のゲージが2本あってとかで分かれてたら、全部のシステムを絶対に使いきらなきゃいけないことになる。一個に特化するって言っても2本しか使えないし、使ってない残りのゲージは全部無駄になるから使わなきゃいけないと。ゲージを共有してることで、自分が調べて練習したところにゲージをつぎ込めるし、使う気がないシステムにはそもそもゲージを回さなくていい。何ていうか、もちろんできない技術があるのは損なはずなんだけど、「そのゲージ違うところで使ってまた別のリターン出すからいいんだよ」っていう。

もちろん本当の本当に攻略を突き詰めたら、全部のシステムを最適な場面で使い分けるようになるんだろうけど、たぶんそこまで行くには十年以上かかる。それを目指す人もいるだろうし、「さすがにこの場面は絶対これ」みたいなのは普段使わないシステムでも使うことになると思う。超キツい連携から逃げるためにリバーサルとか、画面端限定でアホほど減るオーバードライブを絡めたコンボとか。ただ他の曖昧な部分は、例えば最適なシステムを選ぶと10点だけどそうでないところにゲージ使っても8点はありますって感じでそんなに差が出ない気がする。そうなると、本当は強い場面だけど自分が下手で10点中6点しか出せないくらいなら、本当は最適解じゃないにしても得意な使い方にゲージを回して8点中8点出したほうが強いということになる。


まあそんな気分です。実際触ってないのでわかんないが。そういえばドライブゲージはガードゲージでもあるので、ガードという第六の使い道があるとも言える。ガードから確定反撃を狙いたかったり距離詰めるために相手の牽制技をガードしていきたいとか思うならそもそもガードとその他システムも競合する。また奥深さが増えてしまった。全然ドライブシステム使わずにたっぷりのガードゲージとシンプルな牽制技だけで勝つみたいなプレイヤーも、一人くらいいていいかもしれない。

2023年発売はまだまだ先だ。楽しみに待ちます。
その前にスプラ3とかいろいろあるんだけど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?