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新型コロナウィルス対策シミュレーションから学ぶモデル化・単純化

この記事では新型コロナウィルスについてのシミュレーションを例に、シミュレーションにおける手法の単純化やモデル化について解説していく。

2019年、中国にて発見された新型コロナウィルスはcovid-19と名付けられ、2020年に入ると次第にその感染者を増していった。2020年7月現在、日本では一度収まったものの第二波が心配され、アメリカやブラジルではいまだ感染拡大が続いている。

3月14日、ワシントンポストで新型コロナウィルスの感染をシミュレートした記事が掲載された。

https://www.washingtonpost.com/graphics/2020/world/corona-simulator/

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この記事内では人間を一つの円で表現してあり、それが動き回り、ぶつかることで接触し、どちらかに感染者がいた場合はもう片方に感染するようになっている。

このように現実の事物を簡単な図などのモデルで表し、その変化を観測することで現実を予測し、計画の策定などに用いるのがシミュレーションである。

シミュレーションで変化を観測するために作られるのがモデルであり、現実をこのモデルに落とし込むのがモデル化といわれる作業である。

このモデルの正確さによりシミュレーションの精度が決まるが、モデルが複雑になればなるほど、計算にかかる処理速度も指数関数上に増加し、PCにも大きな負担がかかるため、このシミュレーションでは人をただの円で表したようにできるだけ簡単なモデルにする必要性がある。

このモデルを簡単にすることを単純化という。このモデル化と単純化がシミュレーションにおいては重要であり、これらの精度によってシミュレーションの精度も変わってくる。

また、この感染症のシミュレーションをより複雑にしたサイトも存在する。

https://c19model.com/indexjp.html

このサイトでは、感染者の死亡を再現することで、実際の状況をより正確に予測することが可能になっている。また、死亡率、感染率、潜伏期間などの数値を変更することができ、ほかの感染症の数値を入れることでそれらのシミュレーションをすることも可能になっている。

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このようにシミュレーションは未来を予測するうえで大きな役割を果たすが、設定を間違うと全く違う結果が出るほか、単純化が足りないととても大きな負荷をパソコンにかけるため、使い方をよく考えて使用する必要がある。

タイトル画像:mattthewafflecatによるPixabayからの画像