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時間をどこから捻り出すか

ふと目に留まった記事がありまして。

皆さん時間を有意義につかえていますか?私ですか?浪費してる自覚はあります。後悔してもキリが無いのでやめました。笑

「時間の貧困」に悩む現代人

日経ビジネスという雑誌を普段から読んでいるのですが、その中に出ていたイギリスのFinancial Timesからの和訳記事が面白くて色々考えさせられました。

「調査によると昔と比べて労働時間は明らかに減っているのに、自由な時間が減ったと感じる人は増えている。何故だ?」というところから端を発するこの記事、「イギリスのデータで1970年代と2010年代で比較して(日本ではない)」という前提ながら、ザックリとまとめると、

・労働時間が1990年代から横ばいで減らなくなった。

・女性は働く時間が増えた(社会進出)上に育児時間が70年代に比べて倍になった。男性の育児時間も増えている。

・コロナの在宅ワークでプライベートの時間と仕事の時間の明確な分類が難しくなってきている。

ということだそうです。さて面白いのはここからで、記事筆者は「じゃあ70年代って誰が育児してたんでしょうね?」という質問をTwitterに投げ込んだところ「昔は勝手に子供だけで外で遊んでて、ご飯の時間になったら帰って来てたよね」という趣旨の回答が沢山寄せられたのだそうです。

これは私もそうだったのでとても良く分かります。私の子供時代は80年代~90年代ですが、暗くなるまで外で遊んでいたし、それが普通だと思っていました。

何故育児の時間が増えているの?

色々議論があるのは存じてますが、上記調査では男性も育児時間が増えているので育児負担を誰がすべきか議論は脇に置いときますね。家庭内の育児総時間が増えているのは何故なのでしょうか?

先ほどの記事の筆者は「私もワーキングマザーだが、昼間一緒に居られないから出来るだけ時間を割いてあげたいという気持ちが働くのは分かる。」「過保護・過剰の議論はあるが、子供の安全についての考え方が変わってきたのかもしれない。」という二点を挙げています。なるほどと思います。

最近はインターネットでも玉石混交なのはおいといても、ニュースサイトでもSNSでも文章は履いて捨てるほどありますから、「可愛い頃なんてあっという間よ」だとか「親との接触する時間が発育にー」なんて話を次から次へと第三者から浴びせられては、仕事で一緒に居られないことも手伝って、自分の余暇より子供と接する時間を優先させがちというのは自然に思えます。

そして子供が巻き込まれる事件が報道されることが増えました。実は発生率は大して変わっていなかったり、昔に比べると下がっていたりしても関係ありません、報道が増えれば子供の危険が増えたように認識するのはやむを得ないことです。

食事と育児の両立

さて育児が大変な親御さんがどんどん増えているということで、私達食品に携わる人間としてはどうすべきかと思うわけです。掃除炊事洗濯と三大家事で考えれば、一番自動化が進んでいないのが炊事かなと思います。メニューを日々考え、買い物もして、さらに調理が必要で大変ですよね。洗濯はだいたい洗濯機をポチッとなすれば解決しますし、掃除機も軽くなり、便利な洗剤やお掃除グッズも増えました。しかし炊事は「買って来る・外食する」を除けば、世間には材料まとめて送られてくるサービスや、自動調理器具が多少あるくらいで、それも利用はまだまだ少ないでしょう。

実際こちらの記事でもそのような結果が出ているようです。圧倒的に料理に時間がかかっていますね。

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まず、一個人の意見としては、カンタン調味料も冷凍食品も、パン屋さんやスーパーのお惣菜もガンガン使ったらいいと思います。「冷凍食品や総菜を使うのは手抜き!」?? 何言ってるんですか、育児世代の親が食品会社や加工会社で働いて必死に「どうやったら同じような立場の人たちが使いやすいか、喜んでもらえるか」を考えに考え抜いて作り出したのがあれらの商品です。言わば近所の大人の愛が暑苦しいくらいに詰まってるんだからいいんです。当社の開発部員や製造部員もそうです。

そして、これは子供たちの興味の有無にも左右されますが、もしできるなら一緒にご飯を作って欲しいなと思います。包丁を使うとか、火を使うとかは大きくならないと難しいけれど、ハサミで枝豆のさやの端を切るとか、調味料を計って混ぜて見るとか、レタスを千切ってみるとか、年齢に応じて何かちょっとご飯作りに子供を参加させてもらえるといいなと思います。

「食育」なんて大上段に構えた話では無く、料理ってお手伝いすると会話が生まれるんですよ。無言で忖度して動けるなんてプロの厨房だけです。以前も触れましたが、お手伝いをすると「できたよー」とか「これでいい?」とか会話が無数に生まれます。そして食卓でも「今日はこれをしたのは私!」と言えるとまた会話が生まれます。

育児ってきっと会話と体験です。キャンプに行ったり、ディズニーランドに行ったりするのもたくさん会話と体験が生まれますが、日常のご飯作りでも沢山触れ合うことが出来ます。なかなか興味が生まれない様なら「お駄賃」つけたっていいと思います。とにかく一緒に作業するのはいかがでしょう?親は「一人でやるよりちょっと時間がかかる」のを少し我慢すればよいだけです。お腹空かせてるのを可哀想だなぁなんて気を遣ったり、TVばっかり見せてるなぁなんて気にしたりするより、「これちょっと味見して手伝ってよ、TVは録画して食後に見て」って言っておけば、色々まとめて解決できる上に、さらに自分の食後のお茶の時間も確保できる気がしません?

勿論上記は理想の話でしかありません。皆さんのお子さんの年齢も違えば、「男の子三人は地獄」とか色々事情は異なるとは思いますが、私達食品会社の中の人は、商品であれ、レシピやラジオの発信であれ、少しでも炊事を楽に、楽しく出来るように腐心していますし、その様に遠慮なく使って欲しいなと思うのです。さらに会話が生まれる様ならもっといいなぁと思います。

特に、「ご飯作るのが苦痛」というのは何とか少しでも緩和を実現したいところです。

日本人は世界でイチバン食べることが好きな民族だと思っていますが、それでも尚、まだまだ出来ることはあるなと思う次第です。料理が、ご飯が、家族のふれあいを増やすものであるように、これからも頑張ります。


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