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季節の変わり目

気温が30℃を切るようになってから一向に涼しくなりませんが、生鮮品の売り場は着々と姿を変えつつあります、というお話です。

暑すぎない?

ここ最近さすがに暑すぎないかと思って気象庁からデータ落としてみました。2011年から2021年までの10月の神戸の平均最高気温と最低気温です。もちろん今年の10月はまだ始まったばかりなのですが、なんですかこの今年の異様な数字は。笑

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流石にこれは温暖化というよりは局地的な要素に左右されているのだろうと思いますが、速やかに下がって欲しいものです。

食品売り場の季節感

さて日本には四季があるため、お客さんは季節感にとても敏感です。スーパーには52週MD(マーチャンダイジング)というものがあって、365÷7=52...となりますから、これで毎週どんな売り場にするかが決められていたりします。2月の半ばにはひな祭りの売り場を作って、3月初週で片づけて、入学祝の売り場に変えて、4月からは新生活フェアをやって、4月半ばにはGWや端午の節句の売り場を作り…といった調子で、本当に売り場管理者は休む暇もありません。おつかれさまです。私達が毎日飽きずに買い物できるのもこういったお店の努力の賜物で、ここの企画の力量がスーパーの人気の差に表れたりします。

調味料売場は比較的安定していて、52週MDなどにはあまり左右されませんが、春先と初秋に大きな棚替えがあります。春先に鍋つゆやポン酢を引っ込めて麺つゆを出し、初秋に麺つゆを引っ込めて鍋つゆやポン酢を増やします。関西ではポン酢が大変愛されているので商品棚は変わりませんが、東京などではポン酢は季節によって増えたり減ったりしています。笑

その他、どんなに残暑が厳しくとも、お盆が終わるとそうめんつゆが殆ど売れなくなったり、単純に気温だけでは変わらない消費者の季節感からくる嗜好の変化というものもあって、難しいですが面白いのが日本の食品売り場だと思います。

生鮮売り場の劇的変化

調味料や加工食品(ハムや練り物、乳製品など)は人の手によって売り場が変えられていきますが、自然と切り替わっていくのが生鮮売り場です。生鮮三品と言われる肉類・魚介・野菜果物の内、肉類については安定して居て、せいぜいクリスマスのチキンくらいしか変化はありませんが、魚介と野菜果物については季節の移ろいと共にどんどん変化していきます。

特にこの9月~10月あたりに境を持つ食材は多く、消えて行ったり、姿が復活したりするものがたくさんあります。

例えば魚介で行くと、アジはそろそろ旬が終わりです。もう少しするとスズキも終わりですね。入れ替わるように鮭やカワハギが再び姿を現します。このほか、通年居るように見えていても、鰆に脂がのってきたり、戻り鰹で脂がのってきたりするのはここからです。貝類ではアワビやウニが終わりを告げ、もう少しすると牡蠣や帆立が旬を迎えます。

野菜をみてみましょう。茄子やピーマンなどは夏野菜ですが、これはハウス栽培で通年ありますね。とはいえここから旬が終わって露地物がなくなりますので価格は上がります。ズッキーニや獅子唐、冬瓜はそろそろ終わりです。一方でキノコ類やイモ類が充実してくるのはこれからです。果物はナシやブドウがそろそろ終盤です。柿やミカンやリンゴが徐々に旬に向かって走り出します。

家庭では食べることは少ないですが(鴨くらいかな?)、ジビエもここから美味しくなりますね。一般的に動物や魚は寒さに向けて脂肪を蓄え、野菜などは糖を蓄えるので、冬に向かってみんな美味しくなります。いい季節です。

日々に追われているとつい忘れてしまうステキなこと

日本の四季の移り変わりと、それによる食材の変化は本当に多様です。だけど、スーパーマーケットで手軽に買えることや、みんな忙しくなって毎日の献立を考えるのもウンザリという生活をしていると、ついついそういった変化に気付かなくなったりします。

そこで一つの提案ですが、「あれ?こんな魚、こんな野菜先週まであったっけ?」そんなことに気付いたら、それを使うことから考えて見ると案外献立が立てやすかったりします。「おや?鮭やタラが並んでるぞ?ホイル焼きにしようか?」といった風に。

世間では食育も注目されます。手の込んだご飯を作ったり、丁寧に出汁をひいたりすることも食育ですが、その前にこうやって四季折々様々な食材があるんだよということを食卓で伝えていくことも立派な食育だと思います。是非行きつけのスーパーでも、ちょっと立ち止まって見てください。

あ、ホイル焼き(レシピリンク)をする際には、是非当社のポン酢をご指名くださいね。笑

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