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醤油のよもやま話~その一部~

そういえば醤油を扱っている会社なのに醤油の話して何もなかったですね。笑

醤油の種類は5つ

醤油を扱う企業はその多くが「全国醤油工業協同組合連合会」という団体に所属しています。そちらでは「しょうゆ情報センター」というサイトで醤油の種類や現状などを詳しく情報発信しています。興味のある方は是非覗いてみてください。ここではもっとザックリしたお話をしようと思います。

醤油はまず規格が国によって定められています。農水省が所管するJAS(日本農林規格)というもので定められています。そこでは伝統的な作り方や品質について明確に規定されており、それを満たさないと醤油であると名乗ってはいけないことになっています。

そのJASでは醤油は5品種に規定されています。

①濃口醤油 ②淡口醤油 ③溜醤油 ④再仕込醤油 ⑤白醤油

この5つです。

①濃口醤油は皆さんが一般的に想像する醤油のことで、最もたくさん生産されています。醤油全体の85%前後くらいです。(以下画像はしょうゆ技術センターのサイトから拝借)

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②淡口醤油は濃口醤油より少し塩分濃度が高く、色の薄い醤油です。関西発祥で、素材の色を活かせるので煮炊きに良く使われます。関東と関西でうどんの色が違うのは醤油から来るのも一つの理由です。また、高い塩分から来るツンツンした塩角を取るため、甘酒が用いられるのも特徴の一つです。2番目に多く使われていて、全体の12%くらいです。

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③溜醤油は旨味が濃厚な醤油で、その理由は①②が大豆と小麦で6~8カ月で醸造されるのに対して、大豆が多くおよそ1年かかるのが特徴です。製法も独特です。中部地方に作っているメーカーが多いです。

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④再仕込醤油は、①や②など一般的な醤油が食塩水で仕込むのに対し、生揚げという、もろみから絞っただけで醤油の一つ手前の段階のもので仕込むのが特徴です。粘度も高く、手間がかかるため価格も高めです。

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⑤白醤油は三河地方で作られる最も色の薄い醤油です。大豆をほとんど使わず、小麦を多く使います。発酵期間は3か月と短く、発酵を抑えて作るのが特徴です。色にこだわる料理人が隠し味などに使うことが多くなっています。

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この他の特徴

ご覧の通り、それぞれ特徴があって、それを活かした用途に使われていることが多いのが日本の醤油というものです。そしてさらに、九州地方ではまたアミノ酸液を加えて作る甘い醤油を作られているメーカーさんがたくさんあります。伝統的に甘い醤油が好まれる地方なんですね。もちろんこの作り方もJASで規定されています。

他国に比べたら面積の狭い日本ですが、醤油については地方によって実に様々な顔をしているのが大変面白いところです。

また、案外知られていないのですが、醤油はできれば冷蔵庫で保管をお願いします。今の様に気温が高かったり、火のそばに置いてあったり、日があたるところに置いておくと酸化して不味くなります。冷蔵庫はみなさん一杯だと思うのですが、そこをなんとかご検討頂けると、作り手としてはとても嬉しく思います。

地方によって食は様々だが、言い出すと本当に際限がない

醤油の違いについて述べてきましたが、更にポン酢だの出汁だのの地域の好みの違い、大豆や小麦を使わない東北地方のしょっつる(魚醤)などに言及し出すと本当に長くなるのでこの辺りで今回は止めておきますw よく料理にこだわりを持つ方が塩に凝ったりする話はありますが、醤油や味噌も本当に色んな種類があり、特徴や得意不得意があります。是非試してみて頂きたいなと思います。

今はまだ旅行は気楽に出来ませんが、今後もしその道すがらその地域の調味料が売られていたら、是非手に取って見て頂き、おもしろかったら買って見て頂けると、きっと料理がまた楽しくなると思います。

まぁ私みたいに料理をやりすぎると、冷蔵庫の扉一枚が全部調味料になってしまうんですけど。笑

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これ見切れてる上段も調味料だし、味噌や自作の塩レモンは奥に入ってますし、酢や油、乾燥ハーブは別のところにあります。やりすぎですね。笑

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