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科学で見る食品の世界

最近野菜がものすごく安くないですか。ありがたいと言えばありがたいのだけど、農家さんは生活できるんでしょうか?そう思ってせっせと野菜を買って毎日美味しく頂いております。

さて今まであんまり食品屋さんぽくない内容だったので、そういう内容も増やしていきたいなということでこちらです。

料理のお作法は大体科学の理にかなっている

「料理がヘタなんだよ…」とか「料理の段取りがめんどくせえ」等いろいろと世に料理にお悩みの方は尽きませんが、料理って科学合理性が非常に高い作業です。

例えば肉を焼くのは、焼くことによって「旨味を凝縮」し、「熱で殺菌」し、「消化しやすくする」為です。ご飯を炊くのは「柔らかく消化しやすくする」為です。

「さしすせそ(砂糖塩酢醤油味噌)」の順は、砂糖は分子構造が大きく浸透しにくいから早く入れ、酢は加熱が過ぎると味が飛び、味噌醤油は加熱が過ぎると香りが飛ぶからです。

材料の大きさを揃えて切るのは体積と表面積のバランスを取ると火の通り方が揃って食べやすいからです。

もう挙げ出すとキリがありませんが、料理とは科学的に美味しくする作業を重ねていると言えます。一部の理系実験大好きな方々が料理にハマるのはその為です。私は文系ど真ん中なので感覚でやります。「この味ならレモンがちょっとかかってるともっと美味しいかな~?」みたいなユルい感じです。

食品製造も科学の管理

私達が製品を作る時は「科学」と「官能」の二つで管理します。分かりやすく言うと、前者は「腐敗させる菌がうようよしていないか」であり、後者は「ちゃんといつも通りの味や香りになっているか」です。これらをしっかりと監視することで、万が一事故品が出ても店頭に並んだりしないように努力しています。地味で大体無駄だけど大切な努力です。

フードテックという究極の形あらわる

最近は日本国内、海外問わず「フードテック」というものが盛んに研究されています。これはフードとテクノロジーの造語ですが、要は料理なんてレベルではなく、もっと科学技術を駆使して食品の問題を解決しよう!という試みです。例えば食糧不足を解決するとか、調理を分子レベルまで管理して美味しくするとか、ロボットを使った食品工場を作るとか、本当に裾野が広く多彩な科学分野です。

分かりやすく例を挙げると、最近販売され始めた「大豆肉」はその分野から最初に一般消費者に身近になったものと言えるかもしれません。これは「大豆を使ってお肉っぽいものにした食品」です。「大豆由来のタンパク質なので栄養は取れるし肉よりヘルシー」で、「菜食主義者の人でも気軽に食べられる」、そして「畜産に比べて環境負荷が少ない」ことがポイントになっています。

この市場はだんだん広がっていると言われていて、国内でも大塚食品さんやマルコメさんなど大手企業が参入しています。

「うええ普通のお肉がいいです…」って思われますか?それもいいと思います。実際まだお肉の方が美味しいし安いですし。でもいずれフードテックが食糧危機など大きな問題を解決する日が来るかもしれないので、あまり頭から拒否するのも良くないかもしれません。

「買って来て火を通して味をつけたらOK」「美味しかったらOK」というのも一つの考え方ですが、食品の世界はまだまだ広がる世界です。おもしろいですよね。

え?マルテンは科学的研究はしないのか?ウチはちょっと違う形で社会に貢献したいと思っています。それはまた別の回でお話します。

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