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肉を食べるべきか、食べざるべきか

皆さんお肉好きですか?好きですよね?私は好きです。火入れ加減によって味が変わってくるので料理していても面白いです。(料理バカ一代

さて、現在イギリスでCOP26という環境問題の国際会議が開催されていて、気候変動に関心の強い欧州を中心に大盛り上がりであります。実は環境保護や食料不足の視点から「畜産」というのはかねてより問題を指摘されてきました。色々あるのですが、最も有名な論点は

「畜産の飼料を栽培する土地で人間向けの穀物を栽培すれば飢餓を減らせる」

というものです。出所がどこの話だったか忘れてしまいましたが、肉1kgを作る(肥育する)のに鶏だと4kg、豚だと7kg、牛なら11kgの穀物(飼料)が必要だそうです。みんな大好き牛肉は一等効率が悪いということですね。高いわけだ。他方人間が1年暮らすのに必要な穀物は180kgということなので、牛肉16kgを我慢すれば一人の人間が生活できるではないか、という計算の様です。

また牛は反芻動物で、げっぷに大量のメタンガスが含まれるため、それが温暖化を促進しているという批判があります。これに伴い、今回オーストラリア政府は畜産に制限をかけるべきだというような議論もふっかけられたようですが、オーストラリア政府は拒否したそうです。そりゃそうですよね。畜産業で生活している国民も沢山いるんだもの。

さて地球温暖化対策については様々な議論があり、この場で何が正しいとか正しくないとか、言いたいこともありますが本来のnoteの趣旨から外れるので割愛します。それよりも私達はどう食生活を送るべきかを考えてみたいのです。

タンパク質という栄養素の重要性

肉を食べることを論点とすること即ち、「タンパク質をとること」を考えて見ましょう。みなさんタンパク質は足りていますか?いや、聞かれてもわからないですよね。厚生労働省は科学的な見地から検証した「日本人の食事摂取基準」というものをまとめています。

これによると、年齢によって若干差があるものの、大体大人と言われる体格の男性で大体「1日86g~130g」、女性で大体「65g~100g」くらい必要であるということになります。

では実際どのくらい食べればいいのかと言うと、森永製菓さんのプロテイン商品のサイトに分かりやすいものがあったので拝借します。

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1日分ということを考えると簡単に食べられそうですが、これはあくまで女性の最低限のライン(68g)なので、体を良く動かす職業の男性などなら倍食べなくてはなりません。特に昨今高齢者が少食になるにつれてタンパク質が不足する傾向があるそうです。そういったことを踏まえると、「肉を抜いて他のものでタンパク質を摂取する」というのはなかなか難しいことが分かります。高齢者がタンパク質が長期に不足すると、運動能力や認知能力が下がると言われています。要はしっかり適量食べないと介護が必要になってしまうということです。

もちろんタンパク質も過剰に摂取すれば肥満の温床ですのでよくありませんが、「太りやすそう」とか「しつこい味付けはちょっと…」なんて言ってると、「なんだか最近疲れやすいなぁ」なんてことになったりします。また、肉につきものの脂肪ですが、細胞膜を作るには欠かせぬ栄養素だったり、風邪からコロナに至るまで病気から体を守る免疫に脂肪細胞が大きくかかわってることが分かってきたりしていて、これもやはり適度に食べた方が良いのです。断つとかえって不健康になります。

人はパンのみにて生きるにあらず

人はパンのみにて生きるにあらず」とは聖書にあるキリストの言葉で、真意は「物質のみならず心も満たされねばならぬ」という意味ですが、ここでお話ししている栄養学的な話に置き換えれば「炭水化物だけで健康に生きれるわけないやろ」ということです。確かに畜産は環境負荷が大きいところもあります。しかし、山に入ってイノシシを狩って生活するわけにはいかないのだから、畜産に頼って効率的に、そして美味しく心も満たしてたんぱく質も摂らないと健康には生きられないのです。飢餓に苦しむ人たちに与えるべく、畜産をやめて全て人間用の穀物に変えても、死にはしなくとも全員で平均以下になるだけです。果たしてそれが幸せなのかは議論の余地があります。(健康な人たちがより栄養価の良いものを買い付けて支援する方がよい等)

そして蚕のような話になりますが、畜産業用に品種改良された動物たちは人間のサポートなしに野生化するのは不可能です。品種を保護するのもまた環境問題だと言えるのではないでしょうか。そしてまたそれを生業にして代々やってきた人たちを切り捨てるのも違うだろうと思うのです。もちろん大豆ミートのようなチャレンジもどんどんすべきです。(身近なところだとカップヌードルのお肉には大豆が使われています)

昨今石炭の利用を止めれば気候変動がすべて解決するかのような主張が多いですが、そんな程度で解決するならここまで深刻にならなかったと思います。私たちもエコアクションという取り組みを長くやってきましたが、最初は職場の電灯を消したりゴミを減らすところから始め、返品を減らし、使用済の鰹節や昆布を肥料として再利用してくれる業者さんを探し、といった様々な段階を踏んで表彰されるまで来ました。その間実に15年です。

同様に、二酸化炭素を回収する石炭火力発電所を建設して新興国の経済を安定させ、国内においては太陽光や風力のような再生エネルギーの他に植林をして二酸化炭素吸収量を増やし、木材の利用を増やし、食品ロスを減らし、などなどそういった小さな活動の積み重ねでカーボンニュートラルが実現できるのだと思います。特定の産業を圧迫したり、健康を犠牲にして食べるものを制限したりしても続きません。何かを減らすのは、得てして我慢することが多いのが世の常です。嫌なことばかりでは続かないと思います。

色んなものと両立させてこそ

命を頂いているわけですし、お肉も冷凍や日持ちするお惣菜にするなどして、無駄なく、食べ過ぎないようにして楽しみながら環境問題に貢献したいですね。現状や人の欲望や気持ちによりそってこそ地球全体での環境問題の解決が図れると思います。単に断つだけなら簡単ですが、より難しい料率を目指してこそ人類の発展というものがあると私は思います。

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