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誰でもミスはあるけど…

私自身注意散漫な人間なので、チェックとかには向いていない人間です。いつもこのnoteも書いた後必死に読み直してるんです。ホントです。

サッポロビールさんまさかの…

サッポロビールさんがファミリーマートさんと専売商品で開発していた「開拓使麦酒仕立て」という商品で「LAGER」というタイトルを「LAGAR」と表記してしまい、販売計画を急遽停止するというニュースが先日持ち上がりました。

食品製造業としては「うわぁ…」って引いちゃう案件です。あり得ないとかではなく、製品を生産して配送まで終わってるものを回収騒ぎとか、デザイン関係者と校正関係者は真っ青だろうなぁという同情でです。通常商品パッケージというのは何案も作って選んで修正してというのを繰返しますし、製品化に至るまで本当にたくさんの人が目にするし、チェックをかけます。でもすり抜けちゃったみたいですね。

食品製造業とすれば、何があっても間違いがあってはならないのは原料表示や栄養成分表示周りなので、そちらに関心が行っていたのかもしれません。

同じ様に製造業で同情した人が居たのか、ネタなのかはわかりませんが、今度は「EじゃなくてもAじゃないか」とかうまいことを言い始めるひとが出てきます

ネットって芸人でも無いのに「誰がうまいこと言えとw」って突っ込みたくなる人がとっかえひっかえ出てくるのが面白いですよね。プロの芸人さんは大変です。

結果、「廃棄はもったいないだろ」という意見が出てきて、仕切り直しで販売しますという結論に至ったようです。いやいや、良かったですね。とは思いつつも、恐らく卸さんもファミリーマートの加盟店さんも配送や棚空ける準備をしていたと思うので「な、なんだってー」(画像略 みたいなリアクションはあったのではないかと思います。そんな苦労も報われて、誤記を逆手にとって売れるといいですね。特に今酒類系はコロナの影響で外食需要が大きく減って厳しいですから。

フードロスの難しさ

今回の話の展開はフードロスの観点から記事を書かれた方からスタートしたようですが、食品の新製品とフードロスというやつは、実は非常に相性が悪いです。私達調味料の世界は春夏と秋冬と大きく2回棚替えというラインナップの変更をスーパーマーケットさんが行うので、それに合わせて新製品商談を行います。コンビニエンスストアさんはデータから常に売れ行きを見ているので常時棚が変わっていますよね。「気に入ったお菓子があったのに翌週には無くなっていた」なんて話はよくあります。特に、お菓子・即席めん・飲料のあたりは改廃が多い気がします。

トップブランドはフードロスになることなく、営業がキッチリと売っていくのが各社努力しているところだと思いますし、実際それが出来ると思いますが、どんなメーカーでも新製品は売り切るのが本当に難しいのです。小売は「POSデータ(店頭販売データ)が良くないもの」は二度と入れたくないというのが本音です。ですから、新製品はよほど人気にならないと長く残ることはありません。「センミツ(千個作って三個あるかないか)」なんて言われます。それくらい定番に育つ新製品を作るのは難しいのです。

「ならば新製品を作らなければいいのではないか?」そう思われた方も多いかもしれませんが、新製品が全然出ない売り場で買い物するのつまらなくないですか?それに新製品のスペースは、自分たちが新しく新製品を入れて行かないと他社に取られてしまいます。メーカーは小売りの商品棚の取った取られたをずっと競争しています。実は「新製品として発売したけどどこにも受け入れてもらえなかった」なんてことは普通に起きます。中小企業の方が起こりやすいですね。

メーカーも小売りもフードロスがいいことではないことは百も承知なのだけれど、他方お買い物を楽しみたい方や、新製品を楽しみにしている方も大勢いるので、一朝一夕には解決できない問題になっています。ただ、メーカーの中には「少し新製品数を減らした方が良いのではないか」という話し合いをしている業界もあるようです。これも決まるかどうかはメーカー数次第な気がします。たくさんあると意見がまとまらなかったり、隠れて開発する企業が出てきたりしますので。

中々難しい問題です。言い訳じみてしまいますが、作り手側の気苦労みたいなものもちょっと知って頂けると嬉しいです。とりあえず、無事発売されたら「開拓使麦酒仕立て」を買って飲んでまたフードロスについて考えたいと思います。

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