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アミューズメントフィットネスクラブを運営するフィットイージーが上場承認。わずか6年で店舗数を158店舗までに展開するまでに成長

今回、2024年6月19日にアミューズメントフィットネスクラブを運営するフィットイージーが東京証券取引所と名古屋証券取引所に上場承認されました。そこで、興味を持っていた企業だったため、フィットイージーの目論見書の内容を中心に、noteを更新しました。

目論見書

IPO概要

・主幹事:大和証券
・想定時価総額:150.4億円
・想定公開規模:46.9億円(OA含む)
・想定価格:950円

企業概要:

代表は、介護施設を運営するインテリアケイズの代表でもある國江仙嗣氏です。副社長は、フランチャイズ店舗開業支援を行うFTC(株)の元執行役員の中森勇樹氏です。
設立は2018年7月で、2ヶ月後の9月に1号店から4号店までを同時にオープンし、事業を開始しました。

彼らのコンセプトとしては、通常のフィットネスジムとは違い、アミューズメント感の強いジムとなっています。コンセプト自体は、チョコザップに近い印象を持ちました。通常のジム器具に加えて、シミュレーションゴルフやフットサル、個室サウナをはじめ、レーシングシミュレーター、コワーキングスペース、セルフエステ等のアミューズメント設備を自らの趣味嗜好に合わせて利用することを可能とした五感で楽しむことができる空間となっているようです。
特に、次世代の、24時間フィットネスクラブ初の大画面映像によるバーチャルバイクスタジオ「FIT‐RIDE」やフィットネススタジオ「FIT‐AERO」のオンラインレッスンモデルは、同社の大きな特徴であり、会員数を大きく伸ばしている要因となっていそうです。

運営モデルとしては、直営店舗とFC店舗の2つのモデルで展開しています。直営店は25店舗、FCは133店舗展開しております。今後も引き続き、FCを主体に成長していく形で、直営店舗に関しては全部で30店舗ほどに抑える予定です。また、FCオーナーに対して、直営店を売却するアプローチも行っております。このモデルは、リラクなどの大規模FC企業も採用しているアプローチですね。

収益源は、主に直営収益とFC収益の2つです。直営収益は、会員売上や物販などから収益を得ています。FC収益に関しては、開発売上の加盟金、マシン費用、店舗開業支援、物販売上のプロテインなど、運営売上のロイヤリティ、システム利用、広告費用などから収益を得ています。

主なトラクションは、2024年5月末時点での店舗数が158店舗、会員数が123,393人です。構成比は、直営店が25店舗(15.8%)、その会員数が18,206人(14.8%)、フランチャイズ店が133店舗(84.2%)、その会員数が105,187人(85.2%)で、フランチャイズによる出店が主力であることが分かります。また、法人契約社数は2023年10月末時点で269社と契約しており、法人会員数は9,638人で、全体の1/10と数字自体のインパクトは低いものの、一定の法人向けプランにも力を入れているようです。

出店戦略:

・地域戦略:岐阜からスタートした同社ですが、岐阜、愛知、三重を中心に中部エリアを軸にドミナント戦略で出店を行なっています。そのため、中部エリアの店舗数は104店舗で、全体の57%を占めています。
彼らの狙いとしては、まずは中部エリアを中心に強化することで、ブランドの認知度を上げることに加えて、あらゆるシーンでの利便性などの観点からだと考えられます。また、このようなドミナント戦略によって、半期に1回のスーパーバイザーによる店舗訪問の効率化につながっていると考えられます。今後は、商圏人口10万人以上の地域だけでなく、長期的には商圏人口5万人程度の地域も視野に入れて店舗を展開していくそうです。

・加盟戦略:同社の加盟戦略の大きな柱となっているのは、1)ショッピングモールを中心とした複合施設、2)コンビニやコインランドリーなどのFCオーナー向けの提案です。1)地方中心に攻めてきたこともあり、ショッピングモールなどの複合施設を、駐車場の効率化も含めてスポーツジムには最適な出店場所とし、直営を含め、展開を進めています。2)コンビニやコインランドリーなどのFCオーナー向けに提案を加速させています。2021年に大田長原店(東京都大田区)や関内店(横浜市中区)、仲六郷第一京浜店(東京都大田区)、福生駅前店(東京都福生市)、ポンテポルタ千住店(東京都足立区)の5カ所の「Fit&GO」を、ファミリーマートから譲り受けたことをきっかけに、成功モデルを作ることで相性の良さを証明し、提案を進めています。特に、代表のインタビュー記事によると、コインランドリーは、フィットイージーと同様に人件費を使わないビジネスモデルであり、施設管理、清掃業務をどちらかのスタッフが総合的に行うことでコストが最小限に抑えられると説明しています。

今後の戦略:

海外進出:現時点で海外拠点は0ですが、中長期的には、現会員の渡航が多い国や日本人の居住が多いエリアを中心に、グローバル市場への進出を行っていくとのことですが、具体적な時期は不明のようです。

ジムに関する事業承継やM&A:彼らとしては、より多くの店舗数を速やかに増やすため、ジムに関する事業承継やM&Aも視野に入れています。実際、2021年2月にはファミリーマートが新業態として開始した「FIT&GO」の5店舗を譲り受けており、このような形での承継やM&Aは加速させていくと見られます。

まとめ:

今回、フィットネスジムの銘柄で久しぶりにIPOが行われましたが、フィットイージー以外にもIPOが見込まれるフィットネスジムの銘柄が存在するという印象を持っています。日本のフィットネス利用人口の割合は、海外と比較してもまだまだ低く、今後も伸びる市場だと期待しています。引き続きフィットネス関連銘柄のチェックしていきます。

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