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ヘップってなんなん?【作業工程-吊込】 Vol.16

ヘップってなんなん?
ヘップの名称の語源として1954年、映画「ローマの休日」でオードリーヘップバーンが履いていたフロントオープンバックレスサンダルを親しみ込めてヘップサンダルと呼ばれた事だと業界では言い伝えられています。そのヘップサンダルを通称ヘップと業界で呼んでいます。
著作権の問題があるかもしれないので画像は載せることが出来ませんが、アン王女(オードリーヘップバーン)が街にくり出すシーンの中で、露店で履物を買って履き替えるシーンがありますよね。そのシーンの履物がヘップの語源と言われてます。興味のある人は休日に映画観てみて「ローマの休日」だけに笑

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今回は、【吊込工程】

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まずヘップの工程は、上図に示す通り、事業主、下請け、内職に分かれた分業制を取っている。

縫製工程でも投稿した通り、ヘップの種類には主に縫製タイプと巻込タイプと差込タイプの3種類ある。

縫製タイプは、縫製工程で簡単に説明しましたが、いわゆるプラット製法と言って、アッパー部分とインソールを縫い合わせてから、片面ギザギザに加工したテープで、周りを縫い合わせ、ボール(圧縮紙でインソールの芯になる)を包む製法です。

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ボールを、アッパーとインソールを縫い合わせた袋状になった部品をこのと通称リーダーと言われる機械で包む。

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巻込タイプは、まずインソールを天巻といって、合成皮革などをボールに包む作業があります。最初の図、中底部分の工程作業です。

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これが天巻で使う機械です。ボールより約10mm程度大きいインソール材をボールの裏に包む事ができます。

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この機械は元々、皮革を鋤く(薄くしたい部分を鋤く)機械です。
天巻の時にできるカーブ部分の凸凹を鋤くように改造してあります。

これらの天巻作業は下請け外注する工場がほとんどです。

それ以外に、ボールに合成皮革などを合わせて、周りをテープで巻いてインソールにする方法もあります。これは縫製工程にあたります。

それら作業でできたインソールと、アッパー部分を、ラスト(木型)を使って形にする製法です。

差込タイプは、巻込タイプ同様、天巻又はテープ巻したインソールに、差し込み穴を開けてそこにアッパーを差し込んで、ラスト(木型)を使って形にする製法です。

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巻込タイプと、差込タイプはこのラスト(木型)に芯棒が付いている器具で、形にします。

この芯棒が付いたラストを使うのは奈良県だけのようです。近年は、他府県でも使用している工場もあるそうです。

実は、数年前、ある材料問屋さんが、弊社のラストの台を貸して欲しいと頼まれたのでお貸ししました。

材料問屋さんの取引工場がそのラストの台を参考にしたのは間違いないでしょうが、業界のためになるならいつでも教える方が良いと思ってます。

本題に戻ると、巻込タイプと差込タイプは天巻やテープ巻で出来たインソールをラストの底部分に固定して、アッパーを巻き込んで形にする製法です。

使い方としては、ます、上からラストのセンターに合わせて、アッパー部分を沿わせて、ボールの裏面で固定して、芯棒を起点にして回転させて裏面を向けて、今度は
ロールと呼ばれる器具で接着する。

ラストで吊込以外に、見出し画像の防寒用吊込機械を使って、防寒(つま先部分が詰まっているタイプ)は作られる。機械についている吊込ラストを変えることで色々な形の防寒サンダルを作ることができる。

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防寒サンダルは前詰まりサンダルと呼ばれることもある。弊社は上図の通称ドクターサンダルと呼ばれる商品専用に防寒用吊込機械を使用している。

そして、次がアッパーとインソールを吊り込んだ部品と、アウトソールを接着して、完成となります。

奈良では、吊込と底付工程は分業となっていますが、他府県では、同じ下請け外注が行っているようです。

次回は底付編。

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ヘップ親父渾身の•••(買ってください笑)
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