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ヘップってなんなん?【田舎工場からの挑戦 三章】 Vol.37

ヘップってなんなん?その語源として、1954年の映画「ローマの休日」でオードリーヘップバーンふんするアン王女が、街にくり出すシーンの中で、露店で履物を買って履き替えるシーンがあります。
この時に履き替えた「フロントオープンバックレスサンダル」を親しみ込めて「ヘップサンダル」と呼ばれた事を業界では語源と言い伝えられています。
そのシーンは、王女からの解放感を「ヘップサンダル」を通して表現しているのではないかと私なりに解釈しています。
街を歩くのに最適で履き心地の良い、そして決して高価でなくてもお洒落な「ヘップサンダル」を、私はこれからも作り続けていきます。

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【ヘップ親父のブランディング】

弊社は、昭和30年に祖父が西村三郎商店として創業した田舎のサンダル製造工場が始まりです。

祖父から父へ、そして私へバトンを受け継ぎ30年間、品質重視の商品づくりをモットーとし、国内生産を中心に今ではヘップサンダルから皮革靴の製造まで手掛ける工場を営んでいます。

弊社がある御所(ごせ)市は、 奈良県の南西部に位置し履物産業が地場産業に指定されているほど盛んでした。

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現在、この履物業界を見渡した時、今では高齢化が進み技術の継承もままならない状態となっています。稼働している工場も十数軒ほどです。

子供の頃、近所を歩くと至る所で聞こえていた活気あふれた機械の音も今では皆無です。工場が遊び場であった私としてはこの現状を悲しく思います。

そして、2020年に始まった新型コロナウイルス感染症の影響で、世の中は様変わりしました。

外出自粛で出掛けることを控えるようになり、外出しない=服、靴などへの興味の低下がそれまでも厳しかったファッション業界に追い打ちとなりました。

感染状況が落ち着いても元の状況に戻ることはありません。

この1年の間に商品を納めていたアパレル会社は業態を変更し、問屋の廃業も数件ありました。

祖父の代から60年以上、問屋経由の商売をしてきましたので、今までは直接お客様に接することがなく、裏方が「かっこいい」と思っていた自分が、今年に入り直接お客様と接する機会に恵まれました。

「作り手の方にお会いできて安心しました。」

この言葉を聞いた時、もっと知ってもらいたい。もっと安心していただきたい。との思いが強くなった。その気持ちを大切にしたい。

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この出来事が、マルサンフットウエアー理念である
”お客様に笑顔を、そして作り手にも笑顔を”
にもつながるとの思いが強くなりました。

それからは待っているのではなく攻めの姿勢でこの逆境に立ち向かおうと、ECサイトを立ち上げましたがやはり知名度の無さから思ったほどの売り上げはありませんでした。

サンダル業界内ではある程度知っていただいておりましたが、それはあくまで小さい業界内の工場としての認知でした。

「まだまだ知られていない」という現実の壁にもぶつかりました。

そこで次に手掛けたのがSNS。

今まではあくまで興味本位でやってるだけでしたが、まだまだ知られていない現実を受け止め、twitterやInstagramやFacebookで積極的に発信するよう心がけています。

それは「この人が作っているモノが欲しい」と思って頂けるまでとの思いからです。

また、作り手は、多くの方に履いていただくことで幸せを感じます。

作り手の本心がそこにあります。

幸せは笑顔を引き寄せます。作り手にも笑顔を届けたい。

この履物業界を衰退させないためにも、また、この仕事に携わる全ての人たちが誇りを持ち「カッコいい」と目指したくなる仕事となり、次の担い手が増えるようにこれからも挑戦を続けます。

もっともっと、足を想う職人「ヘップ親父」のことを知っていただきたい、その一心で12/10から、クラウドファンディングにも挑戦しています。

お客様に笑顔を届けることが、作り手にも笑顔を届けることになるんだということを現実のものにするためにも挑戦します。

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そして「この人が作っているモノが欲しい」と思って頂けるその日まで

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