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まるで賽の河原(MIU404最終話 感想)

リアルタイムで見た時には理解が追いつかなかったので、数日寝かせてもう一度見たらようやく話の構造は理解した!(遅)
。。んだけど、その上でまだモヤモヤするのはなぜ?と思ってたら、感想が近い人の文章を見つけて首もげるほど頷いた!

↑こういう感覚を言語化できる人ほんとすごい、、
こちらを読んで、自分の言葉でもまとめてみたら「なんて厳しいエンディングなんだ。。苦しみは続く。。」となってしまい白目になりました。

※以下、ネタバレ含む感想です--------------------------------------------



明るく終わったけど、これは全くハッピーエンドじゃない!!終わらない苦しみが続くだけだ!!!

この最終回ではたまたま最悪の事態が起こらなかっただけで(奇跡のタイミングで起きた、陣馬さん九ちゃんスイッチのおかげ)、志摩も伊吹も根本的には出会う前と変わっていない。

志摩は他人に自分の考えを伝えないどころか、伊吹にも九重にも桔梗さんにも誤解を招くような態度を取る。言えやコラ。
たとえそれが、伊吹が正しい刑事でいる事を願っての行動でも、考えを伝えないことで事態が拗れる事を、悪手になり得る事を誰よりも知ってるのは志摩のはずなのに。香坂の件であんなに後悔したのに。

伊吹は一度タガが外れてしまえば、衝動的に行動してしまう。許せない相手を攻撃する。クズだった頃と変わらない。
ガマさんが正しい道に導いてくれたはずなのに。ガマさんを止められなかったと泣いて悔やんでいたのに。

なんやかんや久住を捕まえ、時間が現在に追いつき、競技場に浮かぶ最終話タイトルは「ゼロ」。振り出しに戻って、ゼロ。
自分は変われたと思ってたのに、そんな事はなかった。同じ失敗を繰り返してしまった。
その度に何回でもやり直す。

私はこれをとてもポジティブな方には受け取れなかった。命が有る限り、あらゆるスイッチに翻弄されながら、変われない自分に苦しみながら生きるのだ、という意味に受け取りました。

志摩が久住に言った「生きて俺たちとここで苦しめ」も、伊吹との雑談での「また間違えるかもなぁ」もそういう事なんじゃないかと。

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それと同時に、これまで描かれた各々の成長自体は嘘ではない、とも思う。
志摩は相棒を信頼出来るようになり(後悔してはいるけど)、他人なんてどうでも良かったはずが正しくあって欲しいと願うようになる。
伊吹はルールを守れるようになり、すこ〜しだけ理性的に考えられるようになった(たぶん)(志摩が居ない時はどうなんだろうね?)
九重や成川の変化も彼らの成長を描いている。

でも、それが保たれているのは平常時だけであって、何かスイッチが入れば崩れ去ってしまう。
最終回でいえば志摩にとっては「自分の判断ミスで陣馬さんが死ぬかもしれない」、伊吹は「犯人に陣馬さんが傷つけられた+志摩に見限られた」という非常事態により、成長したはずの自分は脆く崩れて、元の自分が顔を出す。

九重だってこの先警察庁で何か有れば、とっつきにくく、愚者は切り捨てようという思考の人間にまた戻るかもしれないし、成川も窮地に陥ったら、生きるためにまた犯罪に加担するかもしれない。

みんな、いつ崩れるか分からないギリギリの所を歩いている。

何かきっかけがあればまた間違える。死ねば終わり、生き残ればまた間違える。それが延々と繰り返される。

うええ〜〜めちゃくちゃ!!厳しい!!!つらい〜〜〜!!!!

大変な事を乗り越えて、成長して、変わりたいじゃん!!!次は絶対大丈夫って思いたいじゃん!!でもそこに保証はないんだよな。。
(一瞬、ガマさんの轢き逃げ事件の犯人も変われない奴だったな。。と過る。つらい。)

もやもやエンドじゃなかったらここまで考え込まなかったから、終わり方はこれで良かったのかも知れない。(私は)

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船上のシーンは、初見はハラハラし過ぎ&時計の意味を把握する余裕がなくて「夢オチか??(怒)」と思っていたけど、2回見たらなるほど。
志摩も伊吹もそれぞれの幻覚?の中で、隠したい自分を久住のセリフに投影しているんだな、と納得。現実の久住がそんなに2人のこと知ってる訳ないもんね。

それで行くと、志摩は香坂の件とは関係なく元々死にたいタイプの人間なんかな。元々自分も他人もどうでも良いから香坂も放置したのか。
そうすると志摩にとっての正義ってなんだろう?なんで警察官になったんだ??
志摩の捜一以前についてはほとんど語られなかったし、気になる。

伊吹は、抑えられなくなった時の自分が怖くて、信用してた人に捨てられる事にひどく怯えているのかな、と。

あと志摩伊吹ともに久住にスカウトされてるの面白かったな。自分はいつそっち側に行ってもおかしくないって2人とも思ってるんだろうな。

時間経過の表現はちょっと分かりにくいと感じた。
時計よりも、溶けるもの/消えるもの(氷とか、植物がしおれるとか?)の描写の方が絵的にわかって親切なのでは?日付表記が必要だった??
それとも分かりやすくしないという判断だったのかな??気になる。

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キャストが本当に素晴らしくて、最終回で痺れたのは

桔梗さんの「うちから嫁に行ってもいいし、行かなかったら老後は2人で暮らしったっていい」(心のハムちゃんが号泣した)

幻覚の中で久住につられ笑いする志摩、やばくないですか??
めちゃくちゃ釘付けになったんだけど。どういう感情??

伊吹、目が覚めて志摩が死んでないのを確認した顔が、、もう、、

あと盗聴で志摩ちゃんに捨てられそうなの聞いちゃった時の笑顔もね、切ないよね。

幻覚の中の久住は特に気持ち悪かったなぁ〜〜〜また悪役やって欲しい!

ゲスト陣も最高でした。2話の加々見、4話の青池ちゃん、6話の香坂、そして8話のガマさん!!!小日向さんに至っては本当に恐ろしかったです。

3ヶ月とっても楽しませてもらって、ありがとう。きゅるきゅる!!

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