見出し画像

どうすれば、その人は変わるのか?

 どうすれば、人は変わるのか?と悩むことはないですか。ありえないな、なぜそうするかな、言ったことがどうしてできないんだろうか、ふつうそうだろう、こうはならないでしょう、みんなそうしているのに、私だってそうしてきたのに、うちの会社じゃこうだってわかっているはずなのに、今のよのなかそれはなしだよってニュース見てるのか疑ってしまうな、、、など。
 まして、上司になれば部下育成ほど面倒なものはなくて、仕事は好きだけど人の育成は苦手だし正直余計な仕事だし、できればそう言う立場には立ちたくない。だから出世なんてしたくないし、実際、出世した人は課長になって言うことをきかない新人、すぐ休む新人、聞いてませんけどって開き直る新人、また休む新人、知らない間に上司に相談してあることないこといいつけてる新人、感情的になった次の日、親や家族が文句言いにきた・・・なんて・・・珍しい話ではありません。

 仕事にかぎらず人間関係の悩みは「こうしたい。こうするべき。なのに、どうしてあの人はそうしないのか」ということではないでしょうか?

 自分のなかで正しさがあるのに、周りの人たちは思ったとおりに動いてくれないことに無意識に感情が反応してしまうのです。

「えー?そんなにわたし、傲慢じゃない」
「だって、ふつうありえないことだから怒ったっていいじゃない」
「イラっとするのは私の修行がたりないってこと?」

 ふだん、受け取りやすいように表現を工夫している私の言葉ではあっても、そんなふうに反応する人もいます。「あぁ、そうやって受け取りたいんだな」と理解はするものの、相手のなかの自分の正しさがあって、それにふれることがあると、ひとつひとつなんらかの反応が起きる。あたりまえですよね。人間だもの、人の判断にはそれまでの人生経験があるから。

 道を歩いていて、前から人がきて、このままだとぶつかるからどっちかによける。すると、同時に相手も同じ方向によける。→「もう!なんで同じほうによけるんだよ、空気読んでよ」とか思ったりします。もしかすると、今までにそういう似たような経験があって、相手からそう言われたりして「え?」と困惑したことがあったり、わざとではないけれど偶然そういうことがあって、「私が悪いって言われても・・・」と不意に嫌な思いをした経験があったりすると、同じことがあったらまたその記憶が蘇ったりする。

 でも、もしかすると相手も同じことを思っているかもしれません。

 相手が悪い。そう思ってしまうのは修行のせいでも、人間ができていないわけでもないのです。そもそも相手がわるいのではなく、単にタイミングがあわなかっただけです。誰かを悪く思うことで、自分を守ろうとするのは誰だってやっています。自然な自己防衛、ふつうです。
 けれど、そうやっているといつも誰かを悪く思うことが続いて、人間関係はうまくいきません。人は、自分のことをよく思う人と生活をしたいし仕事もしたい。だから、悪く思う人とは距離をとって仲良くしようなんて思わないから。

だったら、どうすればよいのか?

1 うまくいかないな〜と思う自分の考え方を「うまくいっている」に変える。
2 うまくいかないな〜と思うのは「相手の行動」のことではなく「自分の受け止め方」だ、に変える。
3 うまくいかないな〜という言葉のあとに、「こういうこともあるさ」「うまくいかなくても大丈夫」を言ってみる。
4 うまくいかないな〜が続くなら、その場面から立ち去る・距離を置く。
5 それでもうまくいかないな〜が自分に居ついてしまって離れないなら、ほかに根深い原因があるようです。自分との対話をするとかカウンセリングを受けるとかして潜在的な課題解決を。

 こんな感じでどうでしょう?
 自分の感情は自然にわいてくるもの。変えられません。だから、それを我慢して表面上、にこやかにしていても心のなかでマグマが煮えたぎっているなら、どこかに余波が、または皮肉だったり、または行動に出たりなどしますし、それでも我慢を続けたりすればそりゃ病気にもなります。相手が、ではなく自分がつらくなるばかりです。

 何度も言います。相手はそうかんたんに変えられません。自分自身だって変えるの、かんたんじゃないのに、どうして相手は睨んだり叱ったり怒ったり注意しただけで変わるのでしょうか。人はいつだって自分は正しい、と思って生きているのです。

 どうすればその人は変わるのか?という問い、そのものを変えたなら、見える世界も変わります。我慢をしたり、人の顔色を見たり、誰かにビクビクして生きるより、のびのびといい人間関係をつくって、心豊かに生きるほうがいいに決まってますよね。相手を変えるという考え方そのものを変えてみませんか。

 ただ、・・・ここまで言ってもまだ、「それでも相手が悪い」と言い張っている人、たくさんいらっしゃるのです。人間はいつだって迷いや煩悩の渦中にいるっていうことなんですね・・・。

 であれば、色々なことに対して、良い距離感を保つことを意識しましょう。たとえば、人から遊びに誘われても嬉しいし、誘われなくても別に大丈夫みたいに思える「良い距離感を保てている状態」です。この人には届かないんだな、とわかったらならば、距離を保って相手からのボールが届かない位置にいる、ボールを受け取らないと決める、ボールを投げない、といった具合に距離があけば影響されずにすみます。

 今年もあと数日です。自分の何に対して距離をとるのか、そして、他人ではなく、自分のなにを変えるのか、いい切り替えのタイミングをうまく使ってみてはいかがでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?