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研修企画で迷っていないか?

この1年、介護施設のリーダー研修で伺った施設のご担当者さまから、こんな質問をいただきました。


「じつは、4月〜 90分×3回の時間で
新人職員向けに「コミュニケーション」についての
研修を行うことになりました。

私自身、コミュニケーションについて学んだことはあり、
日々、実践しているつもりですが、
いざ、研修となると、不安な面がありますので、
丸山先生に相談させて頂いた次第です。

内容は
バイステックの7原則を基本に
コミュニケーションスキルUPを考えており、
演習も取り入れたものにしたいと思います。

よろしければ、
進め方、受講者に伝えるポイント等
研修の組み立てについて
アドバイスいただければと思います」です。


さて、職場内での研修を行う組織、施設も、会社も、
だんだん多くなってきました。
コスト削減や時間の捻出など、さまざまな経営努力の一環として
必要な観点ですね。
いつも外部講師ばかりだと、通常業務に落とし込みができなかったり
内容が現場のニーズにあっていなかったりすると
聞いておしまいになりがちです。
しかも、その後のフォローが難しく、時間とお金を使っただけ
になってしまうこともあります。
打ち合わせ不足が原因ですので、外部講師を依頼するときは
しっかりと現状と問題認識、目標設定とその後のフォローについて
具体的に話をしておくのをおすすめします。


話は戻ります。
うえのご質問に、どう答えたか、です。

私が研修のときにいつも確認することや、気をつけていることを3点、
お伝えしようと思うので、使えるところだけ参考にしてくださると良いかと思います。

まずはゴールを決めること。
参加者がどうなってもらいたいのか、です。
研修直後にどうなるのか、と、その後の仕事のしかたでどうなってもらうのかの2点です。
直後は「楽しかった」とか「いい勉強になった」というポジティブな感情や
「これ、さっそく明日からやってみよう」とか「勉強してよかったな」「ここに就職してよかったな」
というモチベーションが上がる感覚があるように。
そして、1週間2週間して研修のことを忘れかけている頃に、
それでも覚えてくれていることや、行動の変化があることなどを考えて
どんなことを覚えておいて欲しいか、どんな行動になってもらいたいかを現実的で具体的な設定をします。


つぎに、90分のすすめかたを考えます。
コミュニケーションは、あたまでわかっていても、行動につながりにくい、というのが多くの人の悩みだと思います。
とくに、福祉の勉強をしてきた人や資格を持っている人はそうした学習をしているので
「知っている」だから「できている」だから「もうこれ以上学ばなくてもいい」といった考えになりがちですが、確認したいのは「知っているけれどできていないことがある」と気づかせることです。
そのためには、講義と演習を半分半分いれて、自分を客観視させることが必要です。
言い換えると、インプットとアウトプット。「やってみてわかる」ことの実感です。
だから、自分のやったことが相手に伝わったかどうか、フィードバックをもらうことはぜひ入れていただくと、気づきにつながります。
講師は多くを語りすぎないこと、(ついつい喋ってしまいがちです・・・)
そしてグループや2、3人組をつくってお互いに話し合う機会をもつことが大事です。


そして、内容を絞り込むこと。90分で伝えられるのはほんの少しです。
確実に知っていてもらいたいことをたった3つ以内に絞って伝えることが必要です。
これが、法人理念や組織目標に直結する項目だと成果につながりやすいですよね。
たとえば、「傾聴能力をあげるために」とか「感情にゆさぶられない自己管理の方法」そして、共通認識をするための「ほうれんそうのスキルをあげる」などです。

いちばんビギナーの新人さんにレベルを合わせて研修設計すると、
その後の浸透がスムーズです。
がんばってください!


ということです。

研修の企画は、設計が8割です。
言い換えると
講師力とは、研修設計力があるかどうか、です。

この時期、しっかりと次に向けてインプットをしてください。

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