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社会人のための学び直し数学【高校数学方程式編その1】

1.1次方程式

 未知数 $${x,   y,   z,   \dots}$$ を含む等式のことを方程式といいます。
一般に $${f(x,   y,   z, \dots )=0}$$ と書くことができます。
ここで,$${f(x,   y,   z, \dots)}$$ は $${x,   y,   z,   \dots}$$ を含む,なんらかの式を表します。この等式をみたす(変数に代入したときにその等式が成り立つ)数 $${(x,   y,   z, \dots)}$$ の組を,方程式 $${f(x,   y,   z, \dots )=0}$$ のといいます。また,どの数 $${(x,   y,   z, \dots)}$$ の組も,等式をみたすことがない場合は解なしといいます。また,方程式の解を求めることを,方程式を解くといいます。

 この編では変数が 1 つだけの

$$
a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\dots+a_1x+a_0=0
$$

という形をした多項式の方程式(変数は $${x}$$ で,$${a_n,   a_{n-1},   \dots,    a_1,   a_0}$$ は $${x}$$ についての各項の係数です)を考えます。

 初めに,$${n=1}$$ とした $${a_1x+a_0=0}$$ という方程式($${n=1}$$ なので 1 次方程式といいます。)を見てみましょう。もちろん $${a_1\neq 0}$$ という条件をつけます。今後も方程式の最高次の項の係数は 0 でないものとします。

【参考】$${a_1=0}$$ の方程式 $${0\cdot x+a_0=0}$$ は次のように考えます。
 $${a_0=0}$$ のとき,解はすべての数になります。(不定
 $${a_0\neq 0}$$ のとき,解なしになります。(不能
不定は,解が確定しないことをいい,不能は解を求めることが不可能であることをいいます。

等式には,その両辺から同じ数や文字を引いても(あるいは加えても)意味(左辺と右辺が等しいという意味)が変わらないという性質があります。一般化すると

 $${A=B}$$ であれば $${A-C=B-C}$$(あるいは $${A+C=B+C}$$)である

となります。よって,方程式 $${a_1x+a_0=0}$$ は

 $${a_1x+a_0-a_0=0-a_0}$$ すなわち $${a_1x=-a_0}$$

となります。
さらに等式には,その両辺を 0 でない数で割っても意味が変わらないという性質があります。一般化すると

 $${C\neq 0}$$ のとき $${A=B}$$ であれば $${\dfrac{A}{C}=\dfrac{B}{C}}$$ である

となります。よって,$${a_1x=-a_0}$$ の両辺を $${a_1}$$ で割って
$${x=-\dfrac{a_0}{a_1}}$$ です。まとめると,

 1次方程式 $${a_1x+a_0=0}$$ の解は $${x=-\dfrac{a_0}{a_1}}$$ である

となります。

 ところで,$${a_1x+a_0=0}$$ を等式の性質を使って $${a_1x=-a_0}$$ と変形しましたが,この変形を方程式を解くときの 1 つの技術として考えます。すなわち「等号の一方の辺を構成する 1 つの項をもう一方の辺に移動するときには,符号を換えて移動する」という技術です。これを移項といいます。
$${a_1x+a_0=0}$$ では,左辺の $${a_0}$$ を右辺に移項して $${-a_0}$$ になると考え,$${a_1x=-a_0}$$ とするのです。

練習問題 次の方程式を解け。
(1)$${2x+1=0}$$      (2)$${5x+3=2x-9}$$


【答】(1)$${x=-\cfrac{1}{2}}$$(2)$${x=-4}$$
【解説】(2)左辺の $${3}$$ を右辺に,右辺の $${2x}$$ を左辺に移行すると
$${5x-2x=-9-3}$$ となり,
$${3x=-12}$$ より $${x=-4}$$ となる。

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