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血が増えすぎてしまう病気~真性赤血球増加症~

血液疾患ですとイメージとしては正常な血球の減少というイメージが強いですが、この真性赤血球増加症(PV)は血球の増加(主に赤血球)を特徴とする疾患です。

「正常な血球が増えているなら何も問題ないのでは?」と思う方もいると思いますが、増加することによって生じる体の異常もあります。

今回はこの真性赤血球増加症について解説していきます。

どのような病気なのか?


真性赤血球増加症は造血幹細胞というあらゆる血球の元となる細胞に異常な遺伝子変異が生じ、全血球が異常増殖をする疾患であり、特に赤血球がかなり著増します。

これの原因の遺伝子変異としてJAK2遺伝子の変異が挙げられ、赤血球の造血に欠かせない遺伝子であるJAK2遺伝子が変異してしまい常に造血のシグナルを出してしまうため発症してしまうと考えられています。

症状


赤血球が増えることにより様々な異常が生じます。

赤血球増加による血管のうっ血→頭痛や血栓症、高血圧を引き起こします。

増加した赤血球の脾臓での大量処理→脾臓が大きくなる脾腫という症状も出ます。

原因


多くの血液疾患と同様に原因はわかっていません。
しかしながら日本では欧米に比べ発生頻度は低く、また中高年男性に多く発症することがわかっています。

治療法


治療法として多く行われるのは「瀉血」という治療目的で血液を抜く治療法です。
かなり古典的な治療法ですが、現在のところ真性赤血球増加症に効果がある方法として活用されています。

また先に述べたJAK2を阻害する薬である「ルキソリチニブ」が用いられることもある

まとめ


真性赤血球増加症は放っておくと必ず死んでしまうといったものではありませんが、稀に白血化してしまうことがあるため決して侮れない病気です。
赤血球量高値となった場合はこの病気の可能性が高いので精査するようにしましょう。

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