将来の夢〜大人編〜

23歳で一度夢を失った僕は、急に真っ暗になった目の前の道をどう進めばいいのか、わからぬまま歩いていた。
何かに向かって走っていない自分が、不安で不安でたまらなくなった。この先どうしよう、と。

時は少し遡り18歳高校卒業後、歌手を目指すためにとにかく自分の時間を作りながら稼げる仕事はなにか、考えた。
そこでアルバイトに応募したのが某カフェ&バー。
一週間毎のシフト制に惹かれた。
6-15で週6日働き、夜は時間を有効活用できた。
そこは、横浜駅にある大型店舗でアルバイトも100名近く常にいた。
アルバイトのランクがあったのだけれど、店長の方針で毎月誰かが昇格するとバックルームに貼り出された。
そして、シフト表は8段階のランク毎に色分けされて毎週発表される。
負けず嫌いの僕は、これに火がついた。
気付けば2年で1番上のランクになり、7〜8年いる先輩を抜かしていた。
1番上のランクは何が出来るのか、というと
社員代行業務やアルバイト教育の計画や実行など、だ。けっこういい時給もらっていた。
毎日楽しかったし、
自分みたいに何となく入った人がいつのまにか仕事が出来るようになったり、人として成長をしたりする過程を見ることがとてもやりがいになっていた。

早い段階で社員にならないか、としょっちゅう誘われていたけど、いつも断っていたが、
カフェだけでいいから、という甘い言葉に誘われて、じゃあ別に今とそんなやること変わらないしいいか、なんて軽い気持ちで引き受けた。
20歳だった。そしてそのまま副店長に。

歌手という夢を諦めて数ヶ月、これから何をやろうか考えていた。
当時、ホリエモン がライブドアで世間を賑わせていた頃だ。
これからはITで手に職をつけるのが良いのでは?と考え、仕事をしながらwebデザインのスクールに1年通った。
5年半いたカフェを辞めて転職。

転職先は渋谷にあるお洒落なオフィスだった。
未経験であったため、最初の3ヶ月はアルバイトだった。とてもじゃないがやっていける給料ではなかった。みんなで何故か一斉に行くランチは1200円くらいが当たり前。
行きたくないオーラを出せる雰囲気じゃなかった。
しばらくしたらその輪からは抜けたけど。

IT、と一言で言ってもいろんな仕事がある。
営業、デザイン、企画、Eコマース、プログラミング。
ベンチャーだったのもあっていろいろやった。
というか、殆ど全部やった。
良く言えば任された。悪く言えばやらされた。

加えて、自分には高卒というコンプレックスを当時は持っていた。
高卒だから、
いろんなことに諦めたり良いお給料もらえなかったり、言い訳にしたり。
なんて大人には死んでもなりたくなかった。

だから、勉強した。
毎朝出社は3時間前。朝の6時に出社し、仕事に必要なことやスキルアップに繋がりそうなことを勉強した。帰りは毎日23時くらい。
着々と、自分の成長を感じることが出来た。
その反面、この分野は終わりがなくそして日々新しいスキルが出来ては消えていく。

気付けば3年。仕事にも慣れてきた頃、
東日本大震災が起こった。
メルマガや広告など打てないなどで、しばらく会社は休業に入った。
そこで自分の人生を改めて考え直した。

心のどこかで前の仕事内容に未練を感じていた。

自分の市場価値がどんなもんなのか、仕事を辞めて半年間就活をすることにした。
最終的に自分の希望2社内定で決まった。

片方は大手iTベンチャー、年収450万円。
もう一つは最初にいたカフェ&バーチェーンの大元。
年収は350万円スタート。

後者を選んだ。
あの時の仕事を忘れられなかった。
前はフランチャイズだったが、どうせなら直営で大元で仕事をしたかった。
そして、将来人材育成の部門に行きたい、と面接のとき希望を出した。

現場で3年経験を積み、店長時代は月商1500万円の店を2500万円にし、当時300店舗の中で売上1位の店にした。
そして、やりたかったいまの仕事が出来ている。
去年はリーダーになり、ITの仕事のときの2倍近くの年収になった。
高卒でも、会社内では有名大学出身のやつにも決して負けなかった。自分にとっては、良い会社だ。

やりたい仕事が出来て、夢が叶った。
歌を歌っていた頃と同じくらい夢中になれた自分がいた。

でも、終わりじゃない。
この夢には続きがあるし、いまはいまの不安がある。
次はこれからのことを書こうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?