ゲームの音声出力
今まで家庭用電気機械器具(家電)としてのTVモニタしか触って来なかった身としては、ゲーミングモニターという未知の機械の来歴には興味が尽きない。「液晶画面に映像を表示する」という同じ能力を持ちながら、基本の設計思想が大きく異なる。その違いの一つが「音声出力」であろう。
§.1 PS4と接続
当方の現在の環境は、ゲーム機PS4とゲーミングモニターを接続している状態である。ここで問題となるのが、ゲーミングモニターは映像表示にはめっぽう強いが、音声出力には秀でていないという性質である。
PS4からHDMIで出力された信号はゲーミングモニターに入力され、ゲーミングモニターのスピーカーから音声が表現される。この備え付けのスピーカーは音声がきちんと再生されているかを確認するのを目的とした簡素なもので、音声品質は決して高いとは言えない。
§.2 音声信号を別の機器へ出力
ではこのゲーミングモニターからAVアンプやサウンドバーへ音声信号を出力すればどうかと考えると、問題が発生する。先ほど指摘した通り、ゲーミングモニターは音声出力に秀でていないのだ。光デジタル音声出力はサポートされておらず(例え端子があっても動作保証はない)HDMIの切り札「ARC」にも対応していない(対応してても動作保証はない)。唯一、必ず実装されている出力端子はヘッドホンを接続するAUX端子のみだ。
§.3 ゲーマーはヘッドセット
光デジタル音声出力やHDMIのeARCを完全にサポートしているゲーミングモニターも無いわけではないが、値段が数段上がってしまうようだ。ではなぜ基本設計の中に高音質な外部機器へのアクセスがないのか。その答えはゲーマーの歴史にあるだろう。そう彼らは基本ヘッドセットを装着してのゲームプレイになるため、ゲーミングモニターにはステレオヘッドホンのAUX端子があれば事足りるのである。
§.4 家庭用機器
家庭用TVモニタは実に多彩なインターフェースを持っている。光デジタル音声はもより、HDMIはARCを広くサポートし、アナログRCA音声入力もあればD端子もあり、PCからのアナログ入力端子もあれば、LAN端子もある。これは家庭用TVモニタが様々な家電との接続を使命とされてきた事に起因する。
そしてSONYの造るプレイステーションもまた、この家電との接続を主戦場にしてきたはずだ。実際に、PS2、PS3、そして初期型PS4には「光デジタル音声出力」がサポートされていた。ゲーム機は映像をTVに映し、音声はアンプスピーカーから奏でる事ができた。
§.5 ゲーミングマシン
時代は変わり、ゲーム機はゲーミングモニターと接続する時代になった。ヘッドホンが主流なこちらのゲーミング業界では、AVアンプとの接続は求められず、もはや音声出力を独立させる意味はなくなった。ゲームの中にもサウンド面でこだわりたい少数派の戦いは、はじまったばかりだ・・・!?
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