見出し画像

不登校過去最多③ 不登校、学級崩壊を生み出しそうな危機を感じたこと

ある年の4月を数日過ぎたころ
アメリカから転校生がやってきた

アメリカ生まれ
日本人学校の経験なく現地校で学んできた小2

陽気で活発! フレンドリー!
英語と日本語の二刀流!

彼、転校初日から、
めっちゃフレンドリー!
座る姿勢も 自由過ぎ
立ち居振る舞い 自由過ぎ

2年3組
一斉授業で、お行儀よく!
先生の話をしっかり聞いている

まるこ先生、40歳
なぜだか わからないけど 一瞬ドキッ!
とにもかくにも、今まで出会ったことのないタイプ・・・

彼と まること 2年3組
何かの違いがあるような・・・
特性?持ち味?家庭教育?学校教育?お国柄?文化?

数々の試練、場数を踏んできたけれど
こんな組み合わせ、初体験!

担任まるこ、頭真っ白~!
どうする!どうする!

とはいえ、まずは 37名+新入1名 出発です。

栗とさつまいも! どんなお味がするのかな?

登校初日、
① 一斉授業での悩み

2年3組、いつもの通り、前を向いていい姿勢
彼、片膝立ててそれなり姿勢、

膝にそっとさわると   「なあに~」
足おろしておいてね   「はあい」と軽やか返事

でもでも、あら!また! 

何度も注意するのは、どうなのか・・・
まるこ先生、動揺!             こんな気持ち初めて・・・
転校初日だものね!     それはそう・・・
どちらが?         どちらも!  

日本的に言えば?
お行儀が悪いとか、躾がなされていないとか、経験不足とか
言ってきかせるべきとか、いろいろに批評されるでしょうが

なんだかなあ・・・

もやもや と ・・・
心の中に渦巻きまくり

② 個別の時間の使い方
一斉指導、説明が終わって 練習問題へ

21ページ ②の計算をノート書く
ここから、個別の速度で進めます

「先生、ノートに どうやって書くのーー?」

はいはい、はい、わからないことは即、質問できて いい感じです。

課題には、超真剣に取り組めます
計算正確! 速い!  数字もきれい!
いいぞ、いいぞ!

と、次の瞬間!
「はい、終わった! 今度は何をしようかなあ」
あっという間に床の上に腹ばいになって、
ほほづえついて、にっこにこ

なんてこった! 
未だかって、こんな子 見たことない!
 
教室の床は、寝転べるほどきれいじゃない!
絨毯敷でもない!
しかもしかも、机と机の間の狭い通路だよ!
細かいゴミも落ちてるよ

どうしよう、
なんて声かけよう!

意を決し、とびきり優しい声で言ってみた
たろうくん、席に座ってね

「えー、なんでー、ぼく、終わったよ
どうしてすわるのー   why?」

oh  no!  ーーなんてこった!
課題が済んだ後にも座って待つ意味を彼は求めている
そんなこと質問する子はいなかった!
「座って待っていましょう」で 当たり前だった

特性ゆえ、つい席を立ちそうになる子はいても、
注意を促しつつ、だんだん座って待てるようにさせてきた
それが、勉強の姿勢として当たり前だった

彼は、やるべき課題はしつかりできた
速い、正確!指示通り!

行儀が悪いとか、みんなが勉強してるからとか、
勉強時間だから座りなさい!ではないような・・・

すわって待つことの意味?
みんなで揃えることの意味?
ここは、叱る場じゃない、時じゃない、

ここで、
座りなさい!と命令したら 2年3組お子様たちは どう思うのか・・・
寝そべるままにしたら 2年3組お子様たちは どう感じるのか・・・

意を決して 声をかける
たろうくん、
ここは通路だから、まるこ先生通れない
後ろの方の空いている所で待っててくれる?

「はあい、みんなー! 早く終わってね」

寝転んで、自由に!はなうたも聞こえ、いい気分そう
「みんなまだ~ 早くすませて 来てよう~」と、声がかかる

でも、席をたって遊びに行く子はいなかった

自由に動き回り
それぞれの意志で活動を進めてきたであろう彼の学習風景が脳裏によぎった

この子に今、着席を促すべきか強いるべきか
着席して待つのがマナーと教えるべきか 
彼をしっかりと注意して日本の教育になじませるべきか
迷いなく躊躇なく気軽に発信していた指導の言葉が
べき、べき、べきとなって「教師まるこ」の心に湧いてくる

注意や決められごとが多くなると学校が窮屈なものとならないか、
自由度の少なさは、不登校につながらないだろうか
この子だけに自由なふるまいを与えていいのか
他の子が追随して席を離れたら何と声をかけるのか

着席して45分の授業をする習慣が崩れたらどうするのか
叱る言葉や指示が多くなったらどうなるのか
不登校を招くかもしれない!
学級崩壊を招くかもしれない!


たろう君だけはいいんだよ。外国からの転校生だから!
と、特別感を発したら
それはそれで、差別感を生み出しかねない

どうしよう なんと伝えよう
かける言葉をもちあわせない 無力感

大げさに考え過ぎ?
ううん、先生は そうやって悩むの
37+1=38
これからは、38人を大切に守っていくのだもの

次の課題になると
彼は、席にさっと戻ってきた 「あ~楽しかった」って言いながら

栗ご飯、大好き!
さつまいもご飯、大好き!

まるこ先生、落ち着いて仕切り直しです。

内心、ドキドキがとまらないけれど
やるしかないのです

ここは 焦って どうなるものでなし
操作するものでもなし
強引に相手を変えるものでもなし

簡単に?簡単じゃない!が
見方を変えること、方向転換できるのは
まるこ本人のみ!


①見通しを持たせる
  ・見通しを持つ、見通しを立てる、見通しを持たせる
  ・予測を立てる、計画を立てる
  ・想定する、検討をつける 

  見通しが持っていれば、まるこ先生も子どもたちも
  安心して行動できます、進めます

②指示は短く、明確に、わかりやすく
  ・見通し甘いと指示がポイポイ変わります。
  ・指示や説明が長いと 何がなんだかわからなくなります

③叱らないで 注意しすぎないで 
  ・自発的な行動をひきだせるような言葉かけの研究をします
  ・お互いの良さも引き出せます、認め合えます!

④適材適所!お互いのよさを最大限に発揮!
  ・話し合い学習、学級会、遊び・・・本領発揮したのは だあれ?
  ・自由な発言、発想力抜群
  ・失敗しても気にしないチャレンジ精神

  ・まあまあ、おちついて、あわてないあわてない、待っててね。
  ・みんなでやるよ!一致団結! エイエイ オー
  ・まわりと協力・思いやり・・・伝えてくれたのは だあれ?

  6月の中頃には、どの子も自由時間の使い方も上手になっていった。
  彼も 自然に 自席ですごせるようになってきた。

 待たせるだけでない隙間の時間・自分の時間・マイ タイムの活用方法を     
 まるこ先生は意識するようになってきた

⑤笑える時間!!!
ここに書くと、
上手にできたような感じがするけれど 大変だったのよ、

毎日が緊張で心つぶれそうで・・・
にこにこ笑顔でやったつもりだけど、
周りから見たら、顔が引きつっていたかもしれない
己の力のなさに がっくりしたことは何度もね!

ここに書いてあるのは思い出の ほんの一部
一部を切り取っただけでは
できたのか どうかは わからない

がんばったことだけは確か!
不登校も学級崩壊も起こさなかった
彼のおかげで、教室に笑い声は絶えなかったのは確か
そして、
担任の その後の見方考え方に大きく影響していったのは確か!
育ててもらった1年間だったといっても過言ではない。

でもね、
めっちゃ 疲れていたよ

彼は次の年、
父親の転勤で また、外国に転校した
私は、彼には外国の文化が似合うような気がしていたので ほっとした。
私は外国に住んだことがないので 
外国の教室の雰囲気は知らないけれど・・・ね。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?