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人を選んでしまう装い

 故スティーブ・ジョブス氏は、その日着る服を選ぶための時間がもったいないからといって毎日同じ服を着ていたというのは有名な話だ。合理的だなぁと思うと同時に残念ながら私は朝の時間は勿体無いとは思うものの、ジョブズ氏のレベルに至るまでは達観していないから、朝からあーでもないこーでもないとなってしまうことがままある。
 ついでに余計なお節介をいうなら、ジョブス氏と同じことを習慣にしてるfacebookのマーク・ザッカーバーグ氏のグレーのTシャツはまだ許せると思えるが、私にはジョブス氏のあのスタイルが似合っているとは全く思えなかった(こんな風に批判的で自意識過剰でもあるが故に、朝 悩むのだろうwww)。

 さて批判ついでに。この世には誰にでも似合うという訳ではないアイテムがある。店に並んでいる時には『私は誰にでも似合うんですよ〜!安いから買って着たらいいと思うよ〜!』という汎用性が高そうな顔をしていながら、その実 身につける人を確実に選んでしまうというイケズなヤツだ。最近は特に写りのいい写真が並ぶネット通販という強力なものもあるから、余計に『私も可愛くなれそうだわ〜』とか『おっ!メッチャカッコええやん!』と、雰囲気だけで選んでしまう。ほんとヤリ口が汚い。

 ところで似合わない服やスタイルっていうのは、買う時はもちろん、その後着ている本人にさえわからないも事ことが多い。自分自身では気付けないと考えると『似合わない』は、他人にしかわからない体臭みたいなものなのだ。今回は街で見かけるそんなこんなを、自分は棚に上げて 最上段から見下ろして偉そうに批評してみたい。

1.デニムのパンツ
 いわゆるGパン。その中でも脚にフィットするタイプは、確実に身につける人を選ぶ。これを穿けば誰でも皆そこそこ『無難』でいられると思っているならそれは大間違いである。その誤解は是が非でも是正すべきだ。Gパンは脚の長い人にしか相性が良くない。特にブルーのデニムはその傾向が顕著であると思う。
 また501なんかの無骨系は、『男』『痩せてない』『若過ぎない』『中性タイプじゃない』などの条件をクリアする必要がある。

2.レザーのダブルライダース
 一言でいうなら『小僧は似合わない』。10年早いのである。痩せた若造がダブルライダースを着ても七五三みたいなものだと思う。いい歳を重ねたオヤジやオッサンが最もしっくりくる。しかし面白いことに女性は似合う条件にこれらの縛りが無い。そこが ライダースの不思議なところだ。若い子や はたまた老女であっても、着る人をほぼ選ばない。おばあちゃん(失礼!)がライダースを着てごらんよ!素敵以外の何ものでもない。
 これまでにライダースは4着買ったが、ベストな一着にはまだ出会えず、今も探しているところだ。

3.フレアのワンピース(女)
 女性であれば誰が身につけても無難なアイテムであるフレアスカートやワンピース・・・ってそれは違うぞ!これは私の勝手な審美眼ではあるが、フレアのスカートは痩せている方にはあまり良くないように思える。大方の女性の意見とは裏腹に、痩せている人が似合わないファッションというのは、実はこの他にも色々あるが、フレアスカートはその代表みたいなモノかもしれない。

4.ダブルのスーツ
 ダブルのジャケットを着こなすには、ある程度の体格があることが条件である。要は貫禄が必要なのだ。だから痩せた若い男はダメだ。このあたりはライダースと似ているところだが、ダブルのジャケットにチーフを遊ばせて、白のパンツで素足にローファーとなると ちょっとキマリ過ぎてしまい、違う意味でさらに難易度が高くなるから、この方向には迂闊に手を出さない方がいい。
 また少し前から街でよく見るオーバーサイズのジャケットは小柄な女性にはツラい。小さい人がやるとお父さんの背広をふざけて着た子供みたいになるからだ。

 異論はあると思う。しかしひろゆきさんではないがあくまで私個人の感想である。悪しからず。

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