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忘れられない曲

わたしには小さい頃から忘れられない曲があります。

それは、長渕剛の『JEEP』です。

「ワークブーツにはきかえ 赤いジャンパーひっかけ」から始まる、愛車のジープで海を見に行く場面を描いた曲。

長渕剛の大ファンである父親が、幼いわたしの前でギターを弾きながらよく歌っていた曲。

当時のホームビデオを見返したら、2歳か3歳くらいの小さなわたしが、父親の弾くギターに合わせて楽しそうにこれを歌っていました。

もちろん歌詞の意味なんてその頃はわかっていなかったと思います。「たた(お父さん)がよく歌ってるやつ」くらいの認識で真似して歌ってたんじゃないかな。

それでも、童謡より、アニメのテーマソングより、身体に染みついていた曲。大きくなってもこの曲のことはずっと覚えていました。

言葉の意味をある程度理解できる歳になってから改めて聴くと、海を臨む景色が目の前に浮かび上がるような歌詞と、長渕の個性的な歌声、とても素敵な曲だということに気づけました。

個人的に好きな2番の歌詞を載せておきます。

海はやっぱり光ってた
砂浜を野良犬が走ってた
ずっと遠くで船がゆっくりと動いてた
ウエットスーツの若者が
くちはてた流木とたわむれ
俺はむしょうにコーヒーが飲みたくなった
俺はJEEPをとめた
シーズンOFFのドライブイン
コーヒーを飲みながらやめてたタバコに火をつけた
窓ガラスごしに 打ち寄せる波をみてると
もう一度自分を信じてみたくなった

リアルな海辺の風景と、それまでの葛藤から抜け出して心が晴れていく様子がリンクしているような感じがします。

今のわたしは父親とそこまで仲が良いとはいえないけど、父親がギターを弾きながら歌ってくれた『JEEP』は大好きで、今でも忘れられません。

音楽のことは全然詳しくわからないけど、長渕剛というアーティストが創り出した音楽が父親とわたしを繋いでくれていることはたしかだと思っています。

だからわたしはこれからもきっと『JEEP』を聴くし、帰り道に口ずさむし、その度に気持ちよさそうにギターを弾く父親を思い出します。

以前、父親が運転する車の中で長渕の曲をかけたらわかりやすく喜んでくれて、思わず笑っちゃいました。

もう少し素直にならないとな。

素敵な曲に出会わせてくれてありがとう、お父さん。

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