資本主義への疑問はまず足元を見直すことから

これからの生き方を最近よく考える。

コロナ前から生活が変わり始めていて、より自然な生き方とはなんだろうと思いながら生きるようになったが、コロナによりそれにさらに拍車がかかったと思う。
社会全体もそういう流れだと思うが。


私はそもそも、社会における志みたいなものもなく、流れで会計士の資格を取り、大学卒業後、監査法人で大きな上場企業の監査をしていた。
ただ、入ってしばらくしても、仕事に対する情熱が持てなくて、どこかにそんな私が情熱を捧げられる仕事があるのじゃないかと模索し続け、30歳手前で辞めて、会計士資格も停止した。

その後は、ファッション本の編集の仕事を手伝ったり、ヘルスケアのNPOの事務局を仕事をしたり。
もう組織に正式に所属するのはどうしても嫌で、ただのアルバイトという立場だったから、お給料的には今までよりだいぶ下がったが、気軽な立場で新たな世界を見れて満足だった。
それはどこも人数も少ない会社だったから、今まで見てきた大会社とは全く違う構造や人に、時に刺激を受け、時に疑問を持ちながら、全く新たな視野が広がっていった。

そこで受けた刺激を元に、自分で会社を立ち上げたりした。

新しい会社のために資金が必要で、元々貯金のできないタイプだったし、それまでのアルバイト生活で、少しずつ僅かな貯金も削っていたから、会社が軌道に乗るまで効率よく稼ぎたかった。そのために会計士の資格を復活して、週数日、非常勤で働き始めた。

その間も、私の中では生き方の模索が続いていた。きっと、それまでの組織というものへの違和感、馴染めなさがより一層模索の気持ちを駆り立てた。

なぜ違和感を感じるのか、何が嫌なのかから始まり、自分は何を大切に思っているのか、、気持ちはあっちにこっちに飛び回り、解はないけれど、常に疑問と違和感だけが身体の奥底に疼き続ける。

そして、その疼きは、それまでの経験や色んな出会いを経て、徐々に人間の意識や社会構造や資本主義システムへの疑問へと変わって行った。
資本主義が、いつの間にか大きな宗教のようになり、経済発展や科学革新による技術進化などが、当然のように人間自体の進化のように感じてしまう。その社会全体の進化という名目のもと、人間の基盤を作り出す生物学的な生の営みが効率化やファスト化して、人間と社会が空洞化している気がしてならなくなった。

資本主義に疑問を抱き始めて直後は、稼ぐということがとても罪悪かのように感じることもあった。
巷には、営利拡大のためマッチポンプで回り続け、必要か甚だ疑問な商品サービスを売る企業、綺麗におしゃれ感いっぱいにラッピングされた商品やお店。
じゃあフリーランスで働いている人は、と言えば、心の話を謳いながらも高額な個人セミナーを売る人たち。

かなり前だが、モノの適切な価格は、需要と供給が一致する中の最高額と聞いたことがある。
そういう意味では、そのモノに需要がある以上、もちろん口出しするようなことではない。
そして安ければいいというわけではないのももちろんだが、、でも、どうしてもそういうことには気持ちの悪さと違和感を感じてしまう。

その気持ちの悪さがどうしても拭えなくて、でもなんだかんだ私も生活もあるし、好きな洋服だって多少は欲しい。
そんな矛盾がぐるぐるした結果、私は本当に自分が大切だと思うところからはお金を稼がないで、資本主義システムの中にある会計士という仕事でしか稼がない、と思ったこともある。
そもそもそれも、こうやって書いてみると大きな矛盾があるのだけど。

会計士という仕事は当然ながら、資本主義システムに支えられているというか、システムを支える仕事だ。だから、そこで稼ぐ分には罪悪感が少ないということだ。

大切だと思うことをお金を介して1ミリも考えたくない、経済活動に結びつけたくない、そう強く思った結果だ。

でも、そう。
繰り返しになるが、やはりこれも何か違和感があるのだ。何かに囚われている気がする。  

最近、考えが少し変化してきた。

膨大な人が生きるこの社会は、システムも複雑化していて、何から動いていいのか分からなくなる。

でも、やれることは自分の足元のことでしかない。資本主義への疑問と、次の社会システムの必要性を感じることは確かだ。
でも、そもそも自分の生活自体を曇りなく、そうしたいと思う形、またそうあるべきと思う形にしているかというと全然そんなことはなかった。

まだまだ消費社会の一員だし、疲れた身体で電車に乗って仕事に行くことはなくても、今やっている仕事が本当に意義があるとも胸を張れない。

物事すべてにタイムラグがある。
感じたこと思ったことが生活になる頃には、また次の疑問が出てくるのかもしれない。

でも、ひとまず、何かのモノ一つにしても、本当に心に沿うものだけを選ぶ生活にシフトしていこう。

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