見出し画像

やさしい嘘

「バスの来ないバス停」を知っていますか?

私は今朝の新聞に載っていたACジャパンの広告で知りました。


その内容を読んで、なんとも言えない気持ちになったのでご紹介します。


ドイツの認知症の介護施設では、徘徊老人の対策に頭を悩ませていました。


徘徊老人の多くはバスや電車を利用したがる傾向があることが分かりました。

その理由は家に帰ろうとする、ということです。

そこで対策として、施設の前に「バスの来ないバス停」を設置しました。



そして家に帰ろうとする老人にそのバス停でしばらく待ってもらい、「バスが遅れているみたいなので、中でコーヒーでもどうですか?」と言います。

そうすると素直に施設に戻っていく、というのです。

新聞に載っていた広告



このドイツの話と同じように「バスの来ないバス停」を設置している場所が、愛知県豊橋市にもあります。

こちらは認知症の方やその家族が集う「認知症カフェ」の敷地の一角にあります。

このバス停もバスはきません。

認知症の方がこのバス停で5分くらい待っていると、気持ちが落ち着き、そしてそもそも自分が何をしたかったのかを忘れてしまうのです。


認知症の方の「行きたい」という意思を尊重しつつ、施設に戻ってもらう。



嘘を使ってるんだけど、やさしい嘘。

なんて素晴らしい方法だと思いました。


ただ、認知症の方の心の奥底には
「家に帰りたい」
「家族に会いたい」
という気持ちがずっとあり続けてるところには
なんとも言えない切なさを感じます。


どうしようもないんでしょうけど
なんか寂しい気持ちになります。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?