『少年たち』はジャニーさんの圧を感じる映画

ジャニーズJrが昔から代々やってきた舞台を映画化したというもので、実際に刑務所として使われていた建物で撮影をしたらしい。出演は主にジャニーズJr。

2年ほど前から関ジャニファンなので横山裕出演情報として情報は早くから入って来てはいたけれども、Jr.に興味はないし横山裕の演技を見ると半笑いになってしまう悪い癖があるので見るのを避けていた。
ジャニーズのトンチキなとこ正直あんまりついていけてないし。
しかし公開2ヶ月ほど経ってるのにまだやっているというので見てしまったのだよ。いかにトンチキなのか日に日に気になる気持ちが膨らんで耐えられなかったんや。

見る前に想像していた「ジャニーの脳内ワンダーランド」としては一応ちゃんとお話があったから拍子抜けしたけど、やっぱり映画と思って見るとトンチキ過ぎる。
バーフバリ好きな人は好きかもしれない。
個人的には見たことを後悔するタイプのダメさではなかったので諸々わかった上で行くならそんなに金返せとはならないと思う。2度と見ようとは思わないけど。
とにかく圧が凄い。何のって制作総指揮をしているジャニーズ事務所社長のジャニーさんの。製作総指揮ってのが何をしてるのかはさっぱりわからないけど、とにかくジャニー喜多川の権力と若い男の子というものへの執着を感じる。
演出も設定が舞台版からどの程度引き継がれているのかわからないけど、辻褄とか整合性とか物語いう概念は置いといて「とにかく思いついたやつをどうしても使いたかったんだよね、ヒロムおじいちゃん」って言いたくなる。監督さんの苦労が偲ばれる。(関係ないけど同じ監督さんの「居眠り磐音」超よかった)
奈良の刑務所の中でツナギ着てたはずなのに何の脈絡もなくカジュアルな服で爽やかに南港で踊り出したのは、関西Jrを出してあげたいけど交通の便がいいところで済ましたいし海の時空館が面白い形してるからですきっと。それだけです。

刑務所(少年院?)の中という舞台で役を演じているのだけど、現実のジャニーズJr.の彼らと映画の中の彼ら区別が曖昧で、ジャニーズJrの文脈がわからないと展開がかなり唐突に見える。
突然の持ち歌(ストーリーに関係ないから歌詞の意味とか曲調とか読み取ったらダメ)から始まり、同室になったばかりで特に何もイベントを経てない相手を「仲間だ」とか言いだす。
SixTONESをよくご存知の方はこの歌が彼らの自己紹介でこの人たちが仲間なのは説明も描写も不必要な当然の理なのだろうけど、関ジャニ新規ファンでJrは管轄外の私にはわからないよ…。他の人はもっとわからないよ。
映画大好きおじさんとかに見せる気ないんだろうからいいのか。
ホントに何もかもが急で唐突。
ジャニーさんの脳内では多分繋がってるしガチのジャニオタなら考えず感じることかできるのだろうけども。

最後に、誰目線かよくわからない、大人からするとゾッとする感じの言葉が画面に表示されて、「え、今から惨殺全滅エンド?」と思ったけどそうでもなく、単にいい感じのお言葉としての提示だったらしい。
ジャニーさんの欲望がちょっと本気で背筋寒くなって、「これから先、私たち大人のジャニーズファンが事と場合によってはしっかりNOを突きつけることも選択肢に入れていかねばならぬ!」という謎の覚醒を得たよ。

みんな同じような年頃の男の子で服も揃いで髪型もそんなに変わらないから、とにかく顔を混同した。多少の美醜よりも覚えやすい顔の勝ち。
横山裕の役もなんかよくわかんなかったし、結論としてはジャニーズの圧を感じに行く映画でした!


2023年4月13 日追記

ジャニーさんの性加害報道を受けて読み返してみて、「ゾッとする感じの言葉」ってなんだったかな?と思ってアマプラで確認してきました。別にネタバレでもなんでもないし書いてしまう。
「子供は大人になれない 大人は決して大人にはなれない だからこの想いを 時計を止めて…」
言えた立場じゃないけど、もうちょい早くどうにかならなかったのかな…。

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