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マーケティングのまとめ

▼フィリップ・コトラーを中心にまとめると

参考:「コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略」フィリップ・コトラー朝日新聞出版 (2022/4/20)

「市場で売買する」ことを意味するマーケティングのビジネス的定義は、その権威フィリップ・コトラーによれば、市場で売買するために「価値の伝達と提供」することとなります。

マーケティングは、90年代の情報革命で大きく変化しました。インターネットの普及で、一般消費者が「情報の王様」になった(コトラー) ため、産業の主役がモノからヒトへ変わったのです。それに伴いマーケティングを通じて「伝達すべき価値」も、「伝達方法」も変わりました。

企業からの一方的な広告に対する嫌悪感が強まり、アウトバウンドマーケティングからインバウンドマーケティングへ価値伝達方法が変わってきています。広告もネットユーザーのコンテンツ利用を妨げないよう、自然に馴染むネイティブ広告が増えています。

さらに、スマホの普及により、長年ターゲットの購買意思決定過程に沿った伝達手法として親しまれた「AIDMA」に代わり、「AISAS」やコトラーが提唱する「5A」等、購買後の紹介・推奨を重視する「インフルエンスファネル」構築が不可欠になっています。

▼提供価値は、「マズローの欲求5段階」に沿って変遷

出典:「進化するデジタル経済とその先にあるSociety 5.0」令和元年版情報通信白書総務省

フィリップ・コトラーは伝えるべき価値の変遷を説明していますが、その価値の源泉は、マズローの欲求5段階にぴったり沿うものです。
情報革命で「情報の王様」となった一般消費者が様々なネットコミュニティやSNSコミュニティに所属し、スマホの登場でより身近になったSNSに投稿し承認欲求を充たしています。

そして現在、人類史上初めて、成長動機の段階に入り、自己実現欲求を充たすコンテンツが求められています。完全にカスタマイズされたUXジャーニーが、AIとロボティクスにより自動生成・自動送信される時代に入りました。

IOTがあらゆる生活情報を取込み、リアルとデジタルの境の無くなったOMO空間で、自己実現欲求を充たすコンテンツが体験できる世界になります。

▼これから主役となるマーケティング手法


こうした世界でのマーケティングについて、コトラーは、5つの手法を紹介しています。

▽データドリブン・マーケティング
企業内外から収集されるさまざまな情報からビッグデータを分析したうえで、マーケティング活動を促進・最適化するためのデータエコシステムを構築する活動です。
▽アジャイル・マーケティング
マーケティングは分散型・部署横断型のチームを活用し、製品やマーケティングキャンペーンのコンセプト作りや設計、開発、検証を迅速に行うための取り組みを指します。
▽予測マーケティング
機械学習が可能な予測分析ツールを活用して、マーケティング活動の結果を事前に予測する手法です。
▽コンテクスチュアル・マーケティング
「物理的空間のセンサー」「デジタル・インターフェース」を活用して、顧客ごとに“パーソナライズされた”インタラクションを提供する活動。
▽拡張マーケティング
「チャットボット」「バーチャル店員」など、人間を模倣できる技術を応用して、顧客体験の向上を目指すマーケティング手法。プラス人間らしい温かみ。

出典:「コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略」フィリップ・コトラー朝日新聞出版 (2022/4/20)

完全カスタマイズされたコンテンツを、自動収集されたデータにより高速で設計・検証していく中で、人間の温かみを忘れないコミュニケーションが求められています。
こうした手法をAIとロボティクスがサポートしてくれ、SNS「中のヒト」に代わり、企業ごとに個性を持ったバーチャル店員・AIテレアポが、ユーザーと企業を結びつけるようになります。



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