テーマは「月」 その①

わたしは結構、夜が好きだ。

大学生になって、夜道を歩くことが増えた。もともと一人旅は好きだし、夜道をひとりで歩くことも多かったけれど、なんか感覚は違う。「家に帰るために」夜道を歩くことは、なにか特別な気がした。

夜道の一人歩きは危ないとよく言われるけれど、わたしは好きだったりする。イヤホンを耳にはめて、大きめの音で好きな曲を流して、車のヘッドライトを見ながら歩く。今日一日を思い出してみたり、明日の予定を整理してみたり。ふと、昔のことを考えてみたり。
暗い道を誰かと歩いた記憶は、ただひとつだけある。高校の帰り道。たしか文化祭前だった。誰と帰っていたかうまく思い出せないけれど、ひたすら笑って楽しかったような気もするし、忙しさに負けそうで心が折れそうだったような気もする。けれど、誰かと一緒の暗い帰り道は、ひとりでいるよりもずっとあったかい。照らしてくれる明かりも、少しだけあったかいような。

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毎週金曜日、いつも9時まで大学でサークルの定例会に出席する。そのあとはだいたい、曲を聞きながら家路につく。ほんとうに寂しい日は、高校の友だちに電話して、って頼む。そういう日ほど、とってもキレイに太陽を反射して、わたしの道を明るくしてくれている気がする。
太陽がないと輝かない。周りの助けがないとずっと笑っていられない、わたしみたいだ。だからわたしは、結構、夜が好き。


 ライティングMeetup課題文、テーマは「月」でした。書きながらなんですが、案外自分って空見上げてないし、月も見てないな、と気づきました(笑)。