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がん検診で痛感した「何気ない日常が幸せって綺麗事じゃなくて事実なんだ」

「次回予約取れるところで取っておいてくださいね」

そう言われるも、病院の予約枠はすでに埋まっており、最速でとれる日時は一か月半先。
そんなに長く期間があくのかと悶々としつつも検査結果は絶対に聞かねばなるまい。
仕事の休みを取れそうな日と照らし合わせて、すぐに予約を入れた。

あと一か月半、落ち着かない日々を過ごすことになるとは思いもよらなかった。

今日は、がん検診迷ってる人いたら受診してほしいなぁという気持ちでつらつらと文章を書いています。


病院に行く前の私|生理諸症状の悪化、大丈夫という己への過信、倒れるまで決心できなかった愚かさ

この1年間、とにかく生理の症状が重かった。
というのも理由は明確。
離婚のストレスであることはわかりきっていた。

過去に何度もあった夫の金銭問題。
次あったら離婚だと決めていた私はたった数年で再び同じ問題を繰り返されたことにダメージを食らっていた。それがちょうど一年前ほどのこと。

本格的に離婚を考え始めてから初回の生理。
私は水も吐くくらいには胃が物を受け付けなかった。
何も食べられず3日目を迎えた時には、心も身体が悲鳴を上げていることを思い知った。
でも、離婚が完了するまでは、元夫から離れるまでは、何が何でも頑張らなければ。
「だから先生すみません、食欲増進させるようなお薬出していただけますか、食べなきゃ倒れてしまうけどまだ倒れられないから」
と相談して処方してもらった薬は、副作用として生理不順を含んでいた。
しかし、私にとっては食べられることや体力がある状態で動けることが何よりも優先だった。
「今あなたはとにかく生きなければいけないよ」
と先生とも合意の上選んだ薬だった。

離婚が成立して、食欲増進の薬をやめても食べられるようになったが、生理不順が戻るまで少し時間を要した。
生理の諸症状は以前にも増してひどくなった。

元々子宮内膜症を診断されたことがあったが、「もう診断するほどの症状や数値は見られない」とのことでこの数年は婦人科に行かず過ごしていたのだが。
生理1週間前からの吐き気や頭痛、目眩が毎月起こり仕事に支障をきたすようになっていた。
出血量も増していた。
おりものの量も増えており、身体が変なことは明白だった。

しかし、私はわかりきった気になっていたのである。
「ストレスだから」と。
時間が経てば元に戻るだろうと。
ストレスが要因であることには違いないのだが、身体の中に何が表れているかはわからないのに、放置してしまった。

そして、今年の1月。
生理が来る直前の日だった。
電車から降りて改札へ向かう階段を上っていた時。
目の前がぐらぐらがたがたと揺れ動き、おかしいな、倒れそうだなと思いつつも満員のバスに立って乗っていたところ、スッと目の前が見えなくなった。
気が付いた時にはバスの床にへたり込んでおり、パートナーが私を抱きかかえて名前を叫んでいた。
ほんの数秒だと思うが、意識を失ったのだ。
親切な方が席を譲って座らせてくださったが、肩から上に血の巡りを感じられず、とにかく具合が悪かった。

その後1週間ほどまともに動くことはできず、仕事も休むことになってしまった。
ここまでひどくならなきゃ病院へ行く決心ができないことがまずよくないのだが、私はストレスが原因と認識できているから大丈夫と過信してしまっていた。
身体にとっては何も大丈夫じゃなかったのだ。
とても反省している。

「婦人科、久しぶりに行って診てもらうか」
と、ようやく決心した。
ただでさえこの数年、定期検診もさぼってしまったのだ。
四の五の言ってる場合ではないなと予約をとろうとするも、数年の間に人気の病院となったようで3月じゃないと予約をとることができなかった。

それでも、新しい病院に行って一から説明するよりは…と待ちに待った診察がつい先日のことだった。

ここまでの前置きが長いことを読んでくださってる方には謝りたい。

発見その1|子宮頚管ポリープ

久しぶりだったため、医師の先生の診察を受ける前に看護師さんに再診の理由の詳細を尋ねられた。
私はiPhoneのアプリに保存している周期や体調の記録を見せながら最近の具合が芳しくないことを伝える。
看護師さんの所見としても、PMSで違いないだろうとのこと。
その後、医師の診察・内診となった。

何度経験しても慣れない自分の腹の中をガジャガジャ触られる感覚に顔をしかめながら内診を受ける。

「うーん、たしかにおりもの多いね」
と、医師から見てもおりものの量が普通ではないらしいことを察する。
精神的に・肉体的に疲労が溜まっているとおりものは増えやすいんだよねーあなた相当疲れているようだからねー
その直後だ。
「あー、ポリープあるね」

\\\\\ポリープですと?????/////

え、あ、ポリープですか?
そうそうポリープ、子宮の入り口に近いところにねー
これがおりものの量増やす要因になっていたかもねー
「切っちゃうからねー」

\\\\\切るんですか???/////

今?切るんですか?
ポリープ初めて?そんな珍しいものではないのよーそんな痛くはないからー

なんて言われつつあれよあれよとよくわからぬままポリープは切除された。
切り取られた感覚は正直わからず、切除の措置そのものには痛みはなかったのだろうと思う。
それよりもやはり自分の腹の中で色々されている感覚の方が何とも言いにくい疲労感があった。
一抹の不安を覚えるも「見つかるポリープのほとんどは良性腫瘍なんだけど、病理検査に回すからねー」と言われ、少し安堵する。

そして、エコー検査へと移った。

発見その2|腹水

子宮も卵巣も問題なさそうだねー筋腫も見当たらないし卵巣の腫れもないし形も大きさも正常。
先生は目の前の見えるものに対して独り言のように言っている。
私に話しかけているようには聞こえない。
ポリープがあったことにいささかショックを受けたが、臓器に異常はなさそうでほっとしていた。
しかしである。

「あれ、腹水…だねこれは」
映し出される画像上で先生はその大きさを測っている。
腹水というと、素人の考えであるがあまりいい印象ではない。
慢性的な下腹部痛や排便痛はない?
うーん、ありませんね、生理痛はありますけれども…
臓器の腫れも見られないし、健康な人でも腹水は少量発生することあるからねー様子見かなー

と、それ以上腹水に触れられることはなかった。
これまた拍子抜けである。
別途検査が発生するかなと思ったが、この腹水もそこまで珍しいものではないのだろうか。
未だ疑問は解消されない。


何気ない日常とは幸せの塊

そんなこんなで冒頭に戻り、次の通院は5月1日と非常に遠いのだが…

がんと言われたわけではない。
それでも、今回の検診で私は不安を抱える日々を送ることとなり、健康に過ごせる日常って本当にかけがえのないものだと痛感させられたのだった。

大丈夫だとわかるまで、安心して過ごすことはできないだろう。
子宮頸管ポリープはほとんどが良性腫瘍とのことだが腹水があることは気になるし、ここ数年職場の健康診断だけで済ませて自分の身体を知ろうとしなかったことが悔やまれる。

何よりも、倒れるまで「ストレスだとわかってはいるから、原因はわかっているから大丈夫、自分のことは自分が一番よくわかっている」と過信しすぎていたことは、本当によくなかった。
心と身体は繋がっていることに違いないが、精神力だけではどうにもならないと痛感した。


検査結果を待つだけでこんなに落ち着かないなら、ちゃんと検診を受けておくべきだったと心底思う。

待つしかできないが、今幸せに過ごせること、愛する人の寝顔を見れること、ごはんを食べられること、歩けること…
色んなことに感謝して待つ心づもりだ。

私のような状況になる前に、がん検診を受けるか受けないか考えている方は、絶対に受けてほしい。
そして、安心な生活を送ってほしいと思う。




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