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【創刊にあたって】2023年4月号| 人と言葉



 雑誌の創刊の言葉など誰も読まないだろう。読まれたとしても身内しか読まない。私自身、雑誌の創刊号なるものは過去に何度も手にしたが、「はじめに」的なものは殆ど読んだことがない。寧ろ早々に読み飛ばしている。なぜなら文が固いからだ。読みにくいのである。読まれないためにことさら固い文章にしているのではないかと疑いたくなる。ということで本誌の「創刊のことば」も、可能な限り固くクソ真面目な文章にしてやることにした。そして、自分の創刊への思いの丈を、熱量高めにうざったく語ることにする。読まれないと思えば、気恥ずかしさもないものにできる。ちなみに初号のテーマを「人と言葉」にさせていただいた経緯は、編集の都合上、【編集後記】で書かせていただくことにした。

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コミュニティーと価値観を越えて繋がる
石垣の「クロスボーダー✖️縁」マガジン【月刊まーる】

創刊のことば

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 人との繋がりや縁というのは、内発的に湧き上がる「思い」によって成り立つものであって、外部の力で無理やり誘引できるものではない。本人に繋がりたいという思いがなければ、縁が生まれることも、深まることもないからだ。そして、たとえその「思い」が持てたとしても、新たな出会いや繋がりを求めて自分の領域から他者の領域に越境し、その人と繋がれるかどうかは本人の熱量や人間性に依存している。

 しかし、助力は可能である。そう信じたい。誰かがある場所で、そこで生きる人たちと繋がりたい、縁を深めたい、そう願ったとき、他の誰かがそれを後押しすることはできるはずだ。そしてその助力は、さらに繋がりを太く、広がりのあるものとするに違いない。なぜなら、その後押し自体が「思い」によって成立するものだから。

 石垣の地域通貨である「まーる」を使って読めるマガジンがあったら面白い。そんなマガジンがあるとしたら、どのような個性を持たせるべきであろうか?きっとそれは通貨である「まーる」のコンセプトを言語化し具象化する、相棒のような存在となるはずだ。昨年末、「まーる」ユーザーの集まりの席で、そんなことを話し合った。それがきっかけとなり、今年に入ってから本誌の創刊に向けて具体的に動き始めた。

 「まーる」を始めとする地域通貨「まちのコイン」は、人と人との繋りやコミュニケーションを活性化させることを目的として作られた仮想通貨である。もしこのマガジンが、誰かの出会いを広げ、そして繋がりを深めるものとなるならば、まさに「まーる」のコンセプトを体現したと言えるのではなかろうか。であるならば、隗より始めよ。私たちがマガジンの記事やコンテンツを作成する過程そのものも、新たな出会いや対話の場となること、そして、マガジン制作に関わる我々自身にも、コミュニティーや価値観を越え、繋がりを太く、広がりのあるものにしていこうという意識が、必須となる。

 本誌の【バトン連載】や【越境対談】などの企画は正にそのような理念から生まれた。そしてそこで生まれた縁が、その後もこの地で幸わうことを切に願っている。(2023年4月1日:月刊まーる編集長)

マガジンの目的

 石垣における世代・グループなどの「コミュニティ」やそこに属する人々が、価値観や境界線を越えて他のコミュニティーや人に出会い、繋がりを深め、また広げてゆく契機のひとつとなること。

マガジン編集部の使命

 マガジンのコンテンツ作成プロセス自体が、例えばこれまでにない繋がりを生みだす対話の場となり、コミュニティを越境したり縁が結ばれたりするきっかけとなる。また、題材、関係する人や組織や場所、作成方法等においてこの観点を意識すること。
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