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1.はじめに

【注意】

※当アカウントは田舎のとある30代女性の婚活を小説風にまとめて、
優しいSNSアプリ「GRAVITY」にて投稿していた内容になります。

※最新の投稿・ぶっちゃけた内容をご覧になりたい方は優しいSNSアプリ「GRAVITY」にて「#まる婚活」を検索してください。

※読者の皆様が『この記録はフィクション(空想)である』と思いながら読んで頂くだけで、このお話に怒りを覚える人を減らすことができます。
また、登場人物たちのプライバシーを守りたいので若干ぼかしたり、実際の情報とは異なった形で書いている部分もあります。
そのため矛盾している箇所があるかもしれません。
どうぞ、「軽い気持ちでの閲覧」にご協力をお願い致します。

※残念ながら作者はまだ未婚です。


【話のはじまり】

実は小さい頃から小説家になりたかった。
けれど、実際は引きこもりのニートであった。
原因は今どきよくあるイジメってやつなので詳細は割愛する。
とりあえずバイトをして、親の金銭援助で専門学校に入って、
そこから正社員で就職できる会社に入った。

「これでやっとまともな人生。
 とりあえず適当に給料を貰って、適当に生きるぜ」と、
田舎のオタク女は思っていた。

東北の田舎だし、眼鏡だし、デブだし、黒髪だし、
ジーパンだし、実家暮らしだし、マンガ好きなオタクだし、
…彼氏も出来たこと無いし。

いや、でも彼氏もそのうち出来るだろ。
小説家にもいつかは成れるだろ。

もちろん甘くない。

あっと言う間に時は過ぎ、
彼氏もおらず、小説家にもなれないまま。
私は30歳もとうに過ぎていた。

「俺、結婚するんだ」と、
同居の兄が言い出した。

嘘だろ! 嘘だろ!?

兄が連れてきたのはピッチピチの20代。
義理の姉が10歳も年下! 若くて綺麗で気の利く美人!

兄よ、兄よ!!
実家暮らしで貯金も無くて、もうすぐ40歳のお前がどうしてこんな…!!

「お金じゃないし、年齢じゃない。
 私はただ、あの人の性格が好きだから…」と、義理の姉は頬を染める。

「色々な女性と付き合って、騙されて、フラれて、痛い目にあったけど、
 彼女の前では素の俺で居られる。ありのままでいられるんだ」と、
愛する妻に頬を寄せる。

うろたえている間。
さらに気が付けば、兄夫婦には子供がポコポコと生まれていく。

あ… あぁ… ああああ!!!
「おばさん」

「おばさん」

やめろ! やめろおおおおお!!!


実家に居場所の無い女。
資格無し・職歴短いニート上がりの安月給で実家暮らし30代。
実家も親戚も兄夫婦の子供に夢中になる。
私は親戚中から「おばさん」と呼ばれ始めて一筋の汗が流れるが…
決定打が打たれたのはまもなくのこと。

「俺達、子供の将来の為に貯金がしたくて…
 実家で一緒に暮らしたいんだ」

とうとう「おばさん」に居場所が無くなった。
アパート暮らしをしていた兄夫婦が実家に帰ってくる!
両親は孫にメロメロ。 兄は「長男だからこの家の後を継ぐ」と言う。
継ぐほど立派な家じゃねーよ! ただの兼業農家じゃねーか!!

…でも、どうしよう。
正体不明の憂鬱と、焦りが私を襲う。
老いた両親と、息子と、その妻が暮らす一軒家。
そこに独身女は居心地が悪すぎる!!

無職から、職を得て、それだけで良いわけがなかった!
実家を追い出される! 年収も低いのに!! 生きていけない!
どうしよう! どうしよう!!!

途方に暮れて、ふさぎ込む。
トボトボと歩く仕事の帰り道。
「よってらっしゃい」と、近所のおばあちゃんに声を掛けられる。
近所のおばあちゃん(通称:フミちゃん)は、個人的に結婚相談所をしている70代の女性。
(この結婚相談所がただ名乗ってるだけなのか、ちゃんとした会社なのか…今でもわからないのだが…)

フミちゃんは、今や「化石」とか「絶滅危惧種」と言われても仕方ないような「おせっかいおばあちゃん」であった。

「上がっていきなよ」と言われるままにお店に入り、
お茶を出してくれたフミちゃんに自分の不安をぶちまける。

自分の人生が不安です。
思っていた30代と全然違う形になってしまった。
今さらどうしたらいいのか分からない。

するとフミちゃんは優しく言うのであった。
「結婚しなさい」と。
「素敵な旦那さんのところに嫁いじゃえば万事解決!」と。

今にして思えば、結婚相談所をしているフミちゃんのセールストークでしかなかった。
それでも私はその言葉に『わかりました!』と晴れやかな気持ちになった。

結婚しよう!
よくわかんないけど、一緒に暮らしてくれる人を探そう!

こうしてフミちゃんの紹介の元、婚活を始めることにしたのだが…

「もうあんたに紹介できる人はいないよ」

たった一人でフミちゃんの男性会員のストックが切れてしまった。
結婚相談所とは名ばかりで、本当にただの「おせっかいおばあちゃん」のレベルでしかないのであった。
おまけにそのたった一人には一目でフラれてしまう始末。


「もうあんたに紹介できる人はいない。
 ・・・さぁ、自分で男を探しに行くんだよ!!」

フミちゃんに背中を押され、
ただ「結婚しなさい」という呪いの言葉だけを頼りに
30代の田舎女は、暗く荒々しい【婚活の海】へと身を乗り出すのであった。

(本編に続く)


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