『リコリス・リコイル』感想まとめ

※ネタバレは極力控えるよう執筆しておりますが、完全に無いとは言い切れないかもしれません。その旨をご容赦頂いたうえで読んで頂けると幸いです。


今更多くを語るまでも無く今夏のモンスター級大ヒット作。
放映前の予告PVを観ていた上でこの大ヒットを予測出来た人はほとんど居ないのではなかろうか。
それなりに人気の出そうなごく普通のお店系日常アニメにしか見えなかったからね。

大ヒット最大の要因は、シナリオ、日常会話、キャラクターの魅力、作画、これらのアニメにおいて重要な要素の全てをハイクオリティに仕上げてることに尽きると思う。
緊張感のあるシナリオで毎話の終わりには必ず次話への期待感を煽り、シリアスなストーリー展開でありながらもハイセンスでテンポの良い日常会話で明るい雰囲気を醸成することも忘れない。
戦闘シーンの作画レベルも高く昨今のアニメ業界では珍しいガンアクションを精度高く描いており、それでいながら各キャラクターの感情描写が短い尺の中にもしっかり散りばめられてるので感情移入もしやすい。
主要キャラクターのそれは言うに及ばず、サブキャラクターや敵キャラクターの感情描写やバックボーン等を13話という短い尺の中でこれだけ巧く調理しきったのも素晴らしいとしか言い様がない。

と、称賛すべきポイントが湯水の如くいくらでも湧き出すので、褒めだしたら本当にキリがないくらい。
秋アニメがまだとはいえ、自分の中では2022年アニメの中でも最も印象に残った作品かもしれない。

また、同時期放映の『Engage Kiss』も同様のタイプだったけれど、「シリアスなストーリー展開」と「見ていて楽しい日常会話」とを50:50で綺麗に同居させる設計のアニメは、この作品の影響で今後さらに増えてくるのではなかろうかと予想してる。

そして、百合要素を前面に押し出したアニメがこれほどの大ヒットを見せたのもおそらく初めてかも?
ゴリッゴリの百合作品とまではいかないものの、女同士の友情だと一言で片付けるにしては少々行き過ぎてるレベルだと判断せざるを得ず、この絶妙な匙加減が百合好きの心にもそうでないアニメファンの心にも綺麗に刺さったのではないかとか色々と予測を張り巡らせたりしたりするも、千束とたきなのイチャイチャ眺めてるとそんな腹の足しにもならない陳腐な分析なんてどうでもいいわな百合サイコー!キマシタワー!

まぁ、個人的な要望というか願望というかだけれど、これを機に「百合作品もっと流行ってくれ増えてくれ!」という願掛けを織り姫と彦星に届けておきます。
もう秋真っ盛りだけど。今も外で秋虫ガンガン鳴いとるけど。天の川、彼方の空に吹っ飛んでいったけど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?