4月27日

am2:30

こんな時間に高校生が起きていては、怒られてしまいますね。

ですが、眠れない夜は寝る努力をするよりも、いろいろなことに思いを馳せます。

真っ暗な部屋に、カーテンの隙間からほんの少しだけ月の光が差し込み、お布団の暖かさを感じながら(すこし暑苦しいくらいだけれど)いままでのこと、これからのこと、好きな人のこと。

たくさんたくさん考えます。

そしてその中で音楽を聴きながら、頭の中でひとつのMVを作っていくのです。

これまでの楽しかったこと、辛かったこと、友情、恋愛。フィルターをかけて、ほんの少しぼかして、誇張して、それでもって彩度を100まで上げて、物語を紡いでいく。

この時間がとてもとても幸せなのです。

私は常に、青春とは何かを考えていました。

人生の中で、一番若さ故にはしゃいで、責任を大人にぶつけて、ふざけて、笑っていられる時間。

大人になって、自己責任が問われるほんの少し前、人に対する様々な考え方、価値観が変わり、この世の良いこと、悪いこと、総じていろいろなことを学ぶ時間。

些細なことで喧嘩して、ひょんなことから仲直りすることもあれば、一生関わらないと決める人もいる時間。

狭い世界の中で、ありったけの恋に全速力で走って、転んで、手を引かれ、引いて、愛の伝え方をまたひとつ、またひとつと知る時間。

私はこの時間が、この瞬間が、とてつもなく愛しくて、愛らしくて、馬鹿馬鹿しくて、大好きなのです。

目的も持たず、ただ毎日学校に行き、勉強をして、友と思い出を作り、世界には何十億と人が存在する中で、心から好きだなんて言える人をいとも簡単に見つけられたしまうこの瞬間が。瞬きが。大好きなのです。

まだ完全な私達ではないけれど、これほどまでに人生を謳歌できる瞬間なんて、この先ずっとないのではないか、と思ってしまうほど、この時間が過ぎていくことが惜しくて惜しくてたまらないのです。

お酒も飲めない、タバコも吸えない。パチンコ屋さんもカジノもバーにも行けない。それでもいい。このままで良いと思えるくらいなのです。

狭い世界を甘んじて受け入れてるわけではありません。自分からこの世界にとどまっていたいのです。

なぜ世間一般でいう大人は、青春を歌にするのでしょうか。本にするのでしょうか。詩にするのでしょうか。生きていた中で、その瞬間が艶やかで、鮮やかなものだったからですよね。

その瞬間のことよりも過去のことを思い出したくなる時点で、「子供にもどりたい」と思ってしまう時点でもう私は大人なのかもしれないけれど、心はずっと、無邪気な子供のままでいたいと思うのです。

おやすみなさい。


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