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silent〜青羽紬〜


今回は紬。
5話まで。


まっすぐで素直な彼女の辛かった5年間。別れたあとに、何があったのか。服装も大人しくなって、無邪気な笑顔も消えて。何かに一生懸命になっていないと思い出しちゃうから、頑張ってたけど、嫌なことまで我慢しすぎて。そんな時に再会した幼馴染は、あたたかい毛布のように包み込んでくれる人で、甘やかしてくれる。笑顔にしてくれる。そばにいてくれる。気付けば、自分を取り戻させてくれた。自分らしくいられる場所。

だけど、抑え込んできた好きだった人への圧縮された複雑な感情は、再会した瞬間に紬の中に散らばって、その感情を整理するためにちゃんと会って話したいと思った。

別れの時にすら得られなかった好きだった人の声を再会しても聞くことができない。好きな言葉を紬ぐ人の言葉を聴くこともできない。感情の整理ができない。手話が、とにかく前へ進むため、彼の言葉を聴ける唯一の手段。

湊斗が好きで大切だから、グチャグチャな自分の感情を整理して、それは彼とこれからも一緒にいるために必要だと思っていたのに。言葉を音で伝えることの無力さを思い知らされた。それでも、最後に、大好きだった電話で終われたことは、湊斗との3年間は紬の中できちんと箱に仕舞えたんだろうな。だからちゃんと想をまっすぐみれるようになった。ちゃんと受け止める覚悟ができた。

寄りかからず、自立する用意ができた。

#silent

#青羽紬

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