見出し画像

silent〜桃野奈々・春尾正輝〜

まだ謎が多かったふたりの事が少し見えてきました。
ちょっと長くなっちゃいましたが、お付き合いいただけると嬉しいです。

桃野奈々

音を知らない世界。
無音の世界。
わたしには想像すらできない世界。

わたしは頭の中での独り言にも声が聞こえる。
正確には気がするんだけど。
夢を見てても音が聞こえる。
耳をふさいでも自分のだす音が聞こえる。
遠くからサイレンの音が鳴り響いたり、
カラスがやけに騒がしいと思って外を見たり、
店内で流れたきた大好きな曲に思わず口ずさんだり。

聞こえないことで悲しい思いも当然してきた。
聞こえないけど感じ取ることがたくさんあっただろう。
聞こえない分、
目から、
肌から、
感覚を研ぎ澄まして情報を掴んでいると思う。

授業を受けることのハードル。
ノートテイクやパソコンテイクをしてもらうけど、
してもらう。
ボランティアはしてあげる。

奈々はtake側。
誰かにgiveされる側。

そんなことないのにね。

手話を春尾に教えるのは嬉しかった。
giveできるし、
対等になれる気がする。
会話が普通にできる。
言葉が交わせる。
楽しかった。

自分の為に動いてほしくなかった。

ここが複雑な気持ち。

自分があげたものを、
使い回された感じ。

自分があげたものを、
その他大勢にあげるなんて。

あなたにあげたのに。

giveされる側にはなりたくない。
わたしをそういう目で見ないで。


わたしだって役に立ちたいんだから!!

ジブリ映画「耳をすませば」

突然、雫のセリフが頭に浮かびました。


サークルの立ち上げや、
通訳士を目指そうとしている春尾に対して、
嫌悪感を持ってしまった。
院に進んで研究室にいたってことは、
別の道を目指していたはずだから。
自分の為にそれを犠牲にするなんて。

でもあれは多分、
独占欲もあったかな。
だって春尾のこと好きだったものね。
付き合ってはいなかったかもだけど。
自分を見ていて欲しかった。

偽善だ、とか。
思ってないけど、
頭の何処かで思ってる。
複雑な感情。

ありがとうは大切に伝えてきた。

ごめんなさいは言いすぎて、
もう言いたくないけど、
必要なときには伝えられるといいな。

春尾とはすれ違ってしまったけど、
今また言葉を伝えることができる。
どんな風になるかな。


想が、
奈々とのケジメをつけようと話そうとした時、
18歳で発症して23歳で失聴した女の子を見つけて~の件あったけれど、
あれは自分に言い聞かせていたんだね。
春尾とは分かり会えなかったから、
その後自分と同じ立場の想とは分かり合えるって思ってた。
傷付くことも一緒だし、
対等でいられる。
むしろ自分のほうがちょっと先輩。
手話をgiveする側でいられた。
誰かのために使う手話じゃなくて、
自分と話すために必死に覚えてくれた。
独占欲。
特別感。
それなのに…

自分は健聴者とは分かり合えなかった。
だからあなたも無理だよ。
自分なら分かってあげられる。
想から中途失聴者だからと釘をさされてしまったけど。

聾者、中途失聴者、健聴者。
そこがドラマの中心にある話なのかもしれないけど、
奈々は恋愛に不慣れな不器用な女の子。
そんな風に思える。
好きだから嫉妬した。
それを嫉妬とは認めず、
自分で自分を弱者にして関係を壊そうとした。

桃野奈々から春尾正輝と佐倉想へ伝えた言葉は、
春尾正輝からサークル仲間や教室の生徒へ、
そして青羽紬へ。
そうして繋がった佐倉想と青羽紬。
桃野奈々が伝えた言葉が伝播する。
そのことを奈々はどう感じただろうか。

やっぱ先生にならないかな~。


春尾正輝

春尾のどこか一線を引いた言葉や行動の原点。

ヘラヘラ生きてる聴者のみなさんは。

silent#2

ただ自分の利点のためにしていたボランティア。
利他の精神はない。
いい事してるし気分も良い。
ボランティアだから都合が悪ければやめられる。

そんな自分が出会った奈々。
ニコッと笑う彼女に一目惚れ?

ありがとうございました。
どういたしまして。お疲れ様でした。

はじめて交わした言葉。

ある日の授業中、
奈々とパソコンシェアして、
同じ画面上で会話する。
(奈々は大胆だよね)
飾らず、
ありのままを話す。
奈々が「ありがとう」という言葉を大切に伝えていることを知る。
去り際、
向き合って、
手話で、
「ありがとう」と言われる。

多分手話がわかったのではなく、
雰囲気で意味を理解した。

だから、
向き合って彼女のありがとうを受け取りたいと思ったと言っていた。

春尾が院生2年で、
奈々と会話ができるくらいになるのにどれくらいの月日がたっていたんだろう?
1年?
春尾も一生懸命手話覚えたんですね。
奈々と言葉を交わすために。

手話通訳士の道を目指す。
春尾の中では何も不思議のない決断。

好きな子の、
好きな子と同じ様な境遇の人の、
健聴者との間に立って手助けがしたいと思った。
喜んでくれると思ってた。
それなのに…

やっぱり不器用なふたりなんだよね。

相手のためにしたことが、
それがまた自分の為になる。

よく聞く話じゃないですか。
一緒にいられたらいいって思うけど、
幸せになるために仕事頑張ってたら、
いつの間にかすれ違って…
恋愛ドラマですよ。
面倒くさいなんて言って欲しくなかったけど、
売り言葉に買い言葉。
負けじと出てしまった言葉で、
結果傷付けて、
二度と言葉を交わすことができなくなった。

言葉を交わせるようになったのに、
すれ違ってしまう。
大事なのは?
そんな疑問を抱えたまま、
答えを見つけるためなのか、
奈々とすれ違ってからも手話の道を歩む。

紬と出会い、
奈々と再会して、
その答えを見つけられるのか。

出会えてよかったと思えたらいいな。


言葉を交わせるようになったのに、
あえて手紙?を送った奈々。
次回も楽しみです。


それにしても。

夏帆さんもそうだけど、風間くん大学生役やったのね~。院2年ってことは24歳?もぉスゴいね~。金八先生以降、バラエティとCM以外で見てなかったんだけど、イメージ塗り替えたなぁ。


ここまで読んでいただきありがとうございます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?