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鶏を捌く

【写真】メトロの広告
水曜日、各駅でキリンビールの広告が大々的に貼りだされていました。銭湯の壁画を眺めるがごとく、遠く離れた地を懐かしく思いました。(たかだか一か月ですが)
日本を懐かしむ時、何が懐かしいのかなと考えてみましたが、湿度と時間の流れ方に行き着きました。湿度については、天気や植物の香りの記憶とリンクして思い出されます。こちらにもそうした特有の香りというのはあるのでしょうが、長年住んだ地とは思い入れが違うものです。時間の流れ方については、ゆったりとした流れ方と分刻みで追われるような流れ方との2つともがこちらとは異なるものに感じます。

さて、水曜日は鶏を捌きました。
先日、鶏の授業があった時にはシェフのデモに終始しましたが、今回は生徒も実践します。

鶏がどのような骨格をしていて、どのように部位を切り分けるかを知ることが目的です。

フランスでは街の精肉店やマルシェで鶏肉を買い求めようとしても、丸々一羽で売られていたり、日本とは違う形で部位が切り分けられていたりします。
一羽捌ければ怖いもの知らずです。QOL爆上がりも間違いありません。

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見切れていますが、"Rabel Rouge"(高品質を示す認証ラベル)と書いてあります。黄色い肌は、フランス南部のLandes地方に特徴的です。

軽くストレッチし、残った羽や足先のうろこ状の皮を焼きます。

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羽の先、首を落とし、内臓や余計な脂を取り除きました。
首の皮は背側に切り込みを入れないと、後々の見た目が残念なことになります。間違えて腹側の首の皮を切ってしまったクラスメートがいて、講師のシェフはpから始まる汚い言葉を大声で吐き散らかしましたが、数十秒後には機嫌を取り戻しました。この辺りの切り替えの早さはさすがです。
内臓は頭側、尻側両方から指を入れてゆっくり引けば、ずるずると取り出せます。
写真の内臓は、上から心臓、肝臓、砂肝です。

丸々調理する場合は紐でくくります。

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"rôti"(ロースト)用の結び方。
プレゼンテーション向けに足を伸ばしています。

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"pocher"(ポシェ)用の結び方。
足を畳み、一塊になっています。

紐の通し方を何度も練習した後、部位ごとに切り分けてフリカッセにしました。(割愛)

火曜日に仕込んだサバを燻製にしたものと合わせて持ち帰ります。

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燻製の香りをメトロでばらまいたのは私です、すみません。

週末にでも鶏を一羽買って練習してみたいと思います。

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