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第21週(5/22~5/28)

▲街角
セーヌ川に架かるカルーセル橋からルーブル美術館方面を眺めます。

26日金曜日、エネルギッシュな副料理長は午前中の就業時間を割いて私のコンクールのテーマに沿った一皿を仕上げます。
彼が皿に被せた銀の蓋"cloche"を仰々しく取り上げると、驚きや好奇心、疑問などが次々とこみ上げます。頭の中で描いていたものが一つの形になって目の前に現れると強い説得力があります。

試食に同僚を巻き込んで意見を集めた彼は、成果と課題を整理します。
彼はコンクールの基本的な手順として、料理ごと、そして料理の要素ごとに集中して取り組み、周囲の意見に耳を傾けながら改善していくことを説きます。
たとえ一つの料理に数か月の準備期間があっても、その中で一つの要素に1~2週間、練習できる日は実質数日ごと、と考えれば余裕はありません。

高級ホテルを渡り歩いてきた同僚の髭もじゃ君に聞けば、過去の職場でコンクールに参加する人をほとんど見たことないと言います。早朝から深夜までの勤務の中で、コンクールに時間を割くのは難しいからだろうと推察します。
コンクールに参加できる、というだけでも人は限られるものだと認識させられます。せっかくの機会を不意にできない緊張があります。

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