見出し画像

第11週(3/11~3/17)

▲河津桜

15日金曜日、旧友は私の悠長な人生設計に反応して、時間は有限であることを諭します。
軌を一にして線香花火のように人が亡くなるのを見て、そうなんだろうということは理解しますが、切実なこととして捉えられないところがあります。これまで大して切羽詰まらなかったことの証かもしれません。

翌週、パリの職場に戻るとラマダン中のバングラデシュ人の青年は、人はいずれ死ぬんだと言います。当たり前のことを言っているのに、敬虔な彼が言うと含蓄ある言葉のように聞こえます。
彼が死を恐れていないのは、イスラム教の教えがいずれ役に立つことを期待しているからだと言います。それでも苦笑気味なので、彼自身まだ腑に落ちていないようにも見えます。

無くなって初めてそのありがたみが分かる、という言説がありますが、人の命や人間関係、健康などの非物質的なもののありがたみは、日々の細事にかまけて忘れがちになるところがあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?