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研修7日目

▲ブレーキの無いVélib'(手前、青色の自転車)
自転車での帰り道、交差点に差し掛かかって右手でブレーキを掛けたと思うと指が空回りしました。ブレーキが丸ごとないことに気が付き、左手でブレーキを掛けると、カシャカシャと全く手ごたえがありません。幸い進行方向は青信号で、人が飛び出すこともなかったので無事に交差点を通過しましたが、ひやっとする瞬間でした。
パンク、チェーン外れ、ペダル紛失などは頻発するので、乗る前に軽くペダルやタイヤを蹴る市民を日常的に見掛けます。しかしブレーキが左右ともに故障しているのは半年利用していて初めてでした。サドルを逆向きにすることで故障していることを次の利用者に合図することができますが、必ずしも徹底しているとは言えません。

さて12日、新たに月曜日を迎えました。
飲食店に限らず、多くの商店はたいてい定休の曜日ですが、省の調理場での勤務は月曜日から金曜日です。

先週まで一緒にいたもう一人の研修生は、今週、学校の授業があるようで不在です。(3週研修で1週授業という流れを繰り返すスケジュールなのだとか。)一方でこの日からシェフが復帰し、加えて別の研修生女子が調理場に入りました。

シェフの存在は特筆すべきものです。
はっきりと言葉にできるようになるまでは安易に語るのも気が引けますが、どこか特別な磁場を持っていて、同じ空間にいると電気が伝わってくるかのようです。

作業後のメニュー構成の議論は、火曜日から木曜日分を1時間半にわたって検討。
ゲストは誰か、先週使った食材は何か(飽きさせないために異なる食材を使うため)などを念頭に、手元のレシピ集などから着想を得ます。

"DANS LES CUISINES DES MINISTÈRES"という本の一文を思い出します。

« il faut vraiment se casser la tête » pour trouver de nouveaux menus variés tous les jours.

頭を悩ませるのは、毎日異なる新しいメニューを考えること。

この日はシェフが議論の中心にいて、発想を広げるように会話をし、「悪くない」選択肢が出てきたところで実現性を検討します。(レシピの煩雑さや在庫の懸念は先立って検討されることではないようです。)
"pas mal"(悪くはない)はフランス人が良く使うのを耳にします。言外には「きっと他にいい選択肢があるか知らんけど、今ここでできることとしてはベストだわな」といったものがあるように感じます。個人的に初めは上から目線を感じずにはいられませんでしたが、どうやらさほど否定的な感情はないようです。(参考:「ヒラメ料理とテスト」)

メニュー決定までの流れは、枠組みの中から選択するといったものというより、バラバラのカードを組み合わせてみて悪くなければ次に進む、といったものです。
例えてみると、ジグソーパズルで縁に接するところから攻めるのが前者、整合がとれるピース同士をつなげていくのが後者、といった感じです。

シェフは調理場の人たちの発言をもとに、ゲストのこと、料理の地域性、食材の在庫、過去の経験などの情報を駆使して落としどころを探っています。私に何か貢献できることはあるのでしょうか。

■指摘されたこと(4月12日)
・アスパラの皮むきのこと
・盛り付ける皿の位置のこと

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