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第4週(1/22~1/28)

27日土曜日夜、"fruits de mer"(海の幸)が食卓のメニューとなると、普段とは異なる仕事のリズムが生まれています。
大皿に盛られる牡蠣、海老、手長海老、バイ貝、オマール海老、蟹は、その鮮度と独自の味わいを生かすため、慎重に扱われます。

作業の大半は、殻を除くなどの処理に費やされます。食材は新鮮さを活かすため、生かわずかに加熱される程度です。"nage"と呼ばれる香味野菜やアルコール、酸を加えた出汁での調理法では、加熱すると同時に食材に香りを移します。これにより、海の幸の繊細な味わいを保ちながら、それぞれの特徴を引き立てることができます。

上長料理人は、顧客に驚きがあるよう心掛けていると言います。
この日は趣向を変え、手長海老の"nage"にアニスとフェンネルを加えることで、淡泊な味わいに妖艶な香りをまとわせています。上長の配慮は、小さな仕掛けを重ねることで、都度新しい体験を提供することを目的としています。

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