見出し画像

第10週(3/6~3/12)

▲poubelle ごみ
前週から続く一部清掃業者と焼却場の年金改革の抗議ストの影響で、近所ではごみが溢れ出しています。日に日に街角にごみが溜まっていく様子は、生命活動が止まった生物の細胞を見るかのようです。

10日金曜日、労働許可と雇用契約の更新準備にあたり、シェフに話を持ち掛けると、好きなように期間を延長して良いとのことなので、+1年でということであっさり話がまとまっています。帰国に向けたソフトランディングを意識し始めています。

さて、公的機関の調理場。
職員にはさまざまな食のシーンと好みがあるので、要望に応じて通常メニューとは別にサンドイッチやサラダを提供することがあります。
6日月曜日の終業間際、○○のサンドイッチを作ったのは誰だと同僚が声を上げるので、クレームだろうかと重い足取りで名乗り出ると、どうやら顧客からポジティブなフィードバックがあったようです。顧客からフィードバックがあったことそれ自体、そしてそれがサンドイッチに対するのものであったことの2点で不意をつかれます。

街場のレストランでもなければ、顧客と対面することもないこの調理場は物理的に顧客と離れ、フィードバックの機会はさほど多くありません。主たる改善策が経験則とピアレビューという中で、顧客の意見はポジティブであれネガティブであれ貴重です。
サンドイッチに対するフィードバックであったことにも気付かされるものがあります。サンドイッチやサラダは、作る上では調理場に予め用意してあるものを組み合わせるだけの、技術や繊細さを特段要さずに形になるものです。しかし注意を払えば、いくらでも良くできる点があるのも確かです。時間をかけたものほど価値があるという価値判断が自分の中で無意識にあり、それが落とし穴となって、顧客にとってはあくまで同じ一食という視点を失っていたように感じます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?