研修88日目
▲近所の鳩(17区)
通気口のあたりは快適なのでしょうか。
早朝に吹く風は秋の気配を帯びていて、気づけば夏の盛りを越えていたことに気づきます。
風の香りから、昨年の9月に渡仏したときの、全てを新鮮に感じていた感覚が思い起こされます。
23日、バカンスが明けて、研修先では皆が夏の体験を共有しています。私以外の人は1ヶ月以上休暇をとっているので、遠くに行っている人もいるようです。
学校の図書室も一か月以上の休暇から再開しました。まだ本調子でないのか、図書室には司書を除いて私一人です。
この日の省の研修は料理の提供がなく、調理場の掃除や道具の整理等のみです。
提供がないのは休暇明けで材料がないことも理由の一つですが、休暇中に入った外部の清掃にも問題があったようです。
いつもどおり準備を始めようとする私に、シェフは何も触らないよう言います。
よく見ると調理場の一角はひどく汚れています。なんなら壁が破壊されているのではというほどに荒れています。古い建物なので元から壊れていたとも言えそうですが、少なくとも休暇前の状態とは全く異なります。
毎年休暇明けはこういう感じなの?と現場監督風のペストリーシェフに聞くと、まさか、と彼は笑って返します。
この状態に納得できない。報告して原状復帰させる、とシェフは言います。
シェフは業者が来るまでの間、職員や大臣にまで調理場を見せ、苛立っています。(苛立ったときのシェフは目が据わり、口数が減る。)
やがてやってきた業者は、自分たちの領分は電灯であって汚れている理由は知らない、と言います。それがシェフの気持ちを逆なでしたのは言うまでもありませんが、埒が明かないので自分たちで掃除をすることに。
四人で四時間ほどかけて綺麗にした調理場は、これまでの見慣れたものになりました。これはこれで前よりも調理場に愛着が湧いた気がしないでもないですが、そういう問題ではなさそうです。
さて明日から9月末まで、ノンストップで研修は続きます。
■指摘されたこと(8月23日)
・"désinfection"のこと:フランス語
・"pierre"のこと:フランス語
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