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ヴイアライヴの現在を語る① 〜 第一回中間審査を終えて

みなさんこんにちは

前回書いた記事が一方的に批判を書いただけになってしまったので、責任を持ってキリのいいところで都度所感を述べていきたいと思います。
よってこの記事は不定期です。
そして最初に断っておきますが、私はアイドルマスターもVTuber文化も好きです。ヴイアライヴの3人のことも応援しています。

さて、今回は第一回の中間審査結果の発表が出たタイミングでヴイアライヴの現状と疑問点について語っていきたいと思います。

第一回クォータリークイーン レトラさん

第一回中間審査でクォータリークイーンに選ばれたのはレトラさんでした。
おめでとうございます。

せっかくなので、引用した候補生能力評価についてまず触れていこうと思います。
まずこの候補生能力評価についてですが、こちらは視聴者からのwebアンケートの回答を元に各アイドルの能力をパラメーター化するものです。

各アイドルの能力をパラメーター化

パラメーターの項目は、表現力、歌唱力、知力、挑戦力、ムードメイク力、ボケ力、ツッコミ力、コミュ力、アドリブ力の9つになっています。

例:灯里愛夏さんのパラメーター

例として灯里愛夏さんのパラメーターを引用しますが、ボケ力、表現力などといった項目が高い一方で、知力、ツッコミ力といった項目では0に近い数値でありなかなか尖ったパラメータになっています。
パラメーター化は賛否あるようですが、ゲーム内でのイベントや要素を現実世界に持ってくる=現実世界にアイドルマスターというゲームを実現させる、という観点からすれば、キャラクターのステータスを視覚化するというのは面白い試みといえるのではないでしょうか。


■「視聴者=プロデューサー」になっているのか


いま気になっていること、それはヴイアライヴ発表会の際に「視聴者=プロデューサー」であると明示していた点に関してです。
果たして現状において「視聴者=プロデューサー」になっているのでしょうか。

現在ヴイアライヴは公式チャンネルにおいて、「Official Lesson」と題して月2回前後編で課題にチャレンジする企画番組をライブ配信しています。MCは芸人の土佐兄弟さんが務め、課題ごとにゲスト講師が登場する形式です。

毎月、公式番組にて課題に挑戦

5月の課題が「とにかくバズれ」(ゲスト講師:FRUITS ZIPPERから櫻井優衣さんと真中まなさん)、6月の課題が「好きなものを研究して発表!」(ゲスト講師:ヨビノリたくみさん)でした。
こういった企画番組は大手のVTuber事務所でも一般的であり、番組内容もそれらと遜色ないと感じます。

さて、こちらの企画番組は当たり前ですが運営が主導して製作しています。私たちはあくまで視聴者参加型番組に参加しているだけです。
現在、視聴者ができることは各配信でのコメント、アイドルマスターポータルを用いたアイドルへの投票、そして冒頭で触れた能力評価に関してのアンケートへの回答で彼女たちを評価するだけになります。

何が言いたいかというと、私たちの立場は「プロデューサー」ではなく「審査員」ではないか? ということです。

配信において「視聴者=プロデューサー」というのは「プロデューサー≒指示厨」の構図になりかねないので私はあまり好ましく思っていませんが、運営側が公言したのならもう少し「らしさ」が欲しいです。これでは「プロデューサー」というのがただのファンネームになっています。
ゲームで言えば、選んだキャラクターが自らレッスンを選んでクリアしているのを眺めているだけ、というのが今現在の率直な感想です。リアルに飛び出たアイドル育成ゲームの様相を呈するヴイアライヴにおいて、私たちはプロデューサーというロールを果たせていません。
今の状況はアイマスで欠かせない要素であるアイドルとプロデューサーの関係性、いうなれば「プロデュース感」というものに乏しい気がします。

ただ、現実世界においてこれまでの作品のようにプロデュース感を出すというのはなかなかの難題であるというのも事実です。それが「ヴイアライヴ」という企画、ひいてはMR(MORE RE@LITY)プロジェクトの難しさでもあるとは思います。

■ヴイアライヴの入口はどこにある?


次に配信についてですが、各人週2回程度で頻度はほぼ同じ。配信内容はテーマありの雑談や歌枠となっています。他のVTuberがよくやっているゲーム実況等は行っていません。
そして、歌枠もバンダイナムコエンターテインメントのサウンドエンターテインメント事業部が展開するレーベルである「ASOBINOTES」やそのキャラクタープロジェクトである「電音部」の楽曲縛りのものだけです(2023年7月8日現在)。

電音部楽曲の歌枠リレー配信

うーん、これはどうなんでしょうか。
現状彼女たちの入口となるコンテンツは「アイマス」「VTuber」「ASOBINOTES(電音部含む)」に限られています。
配信をすべて見れているわけではないですが、これからヴイアライヴへの新規を獲得しようというにはどうにも入口が狭い気がします。
いくら彼女たちが魅力的で個性溢れる配信をしていてもそこに辿り着けなければ意味がありません。

私自身、VTuberの配信を見るようになったのはあるゲーム実況配信を見たことがきっかけでした。
配信者のポテンシャルももちろん重要ですが配信で取り扱うコンテンツというものも同じくらい重要ではないだろうかと素人ながらに感じます。
既存の大手企業Vの宿命なのかもしれませんが、このままだと「ASOBINOTES」や「電音部」のような自社ブランドの体のいい広告塔でしかありません。

それがVTuberの世界に飛び込んできたアイドルマスターとしての答えなのでしょうか。

■「VTuber」+「アイマス」=???


企画が始まってから三ヶ月が経過しましたが配信には一定の人数が集まっていますし、ヴイアライヴはある程度成功していると言ってもいいでしょう。
VTuber全体としても上澄みであると思います。
ただ、アイドルマスターの新規IPとして取り組んでいるのだとしたら少し寂しい気がするのもまた事実です。

VTuberの配信はYouTubeというプラットフォームを使っていることもあり、配信での同時接続者数やチャンネル登録者数というわかりやすい目標設定が可能です。
彼女たちの活動や視聴者の応援によってそういった数字が積み重なり少しずつ成長していくさまが醍醐味であり、彼女たちにはシンデレラストーリー的な魅力が生まれる素地が常にあるといえるでしょう。
この構造が物語性が重視されるアイドルコンテンツと非常に相性がいいことについては疑う余地はないと思います。

しかしながら、ヴイアライヴはなかなか厳しい立場にあるというのも事実です。

VTuber市場自体が盛り上がりを見せていることで企業個人勢含めてその数は飽和しており、新規視聴者の獲得がなかなか難しい状態であること。
また、アイマスが現在5ブランド(初代、シンデレラガールズ、ミリオンライブ、SideM、シャイニーカラーズ)を展開中ということもあり、既存のアイマスファンを順調に取り込めていないということもあります。

「VTuber」+「アイマス」という要素はまだポジティブに作用していません。

■おわりに


アイマスのVに求められているのは、過去行われた星井美希のSHOWROOM配信やシャニマスの大崎甜花のような、すでにバックボーンが確立されているキャラの配信なのかもしれません。

しかし、そのなかであえて新規IPとして「ヴイアライヴ」をスタートさせ、YouTubeを主戦場にしていくと決めたのなら、彼女たちには「企画で生き残る」ではなく「VTuber界でトップを取る」ぐらいの気概を見せて欲しいところです。
「目指す夢は、トップアイドル!」がやはりアイドルマスターだと個人的には思います。

このまま小さく閉じていくのか、私たちがあっと驚くような展開を見せていくのか、今後のヴイアライヴの動向に期待したいです。

それではまた


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