贅沢な食事

今夜人に料理を作って与えたらかなり喜んで食べてくれた。
栄養マニアだから、今夜は15品目摂ろうだとか気管支が弱いからBクリプトキサンチンだとか色気の無い基準で調理してばかり、名前のあるきちんとしたお料理は作れている自信はあまり無いのです。
中村さんが昔の女の子の名前を出し、あの人は良いもの食べ歩いて来ているし、お料理が上手いから教わったら?
と悪意無く私に言ったあの昔ですが、その女の子は私が振舞った食事に手をつける前に皿を持ち上げて裏の銘柄を確認したりするので、それがどうにも嫌。

私の最近流行っている贅沢な食事は、舞浜の現場が終わって疲れ果てた帰り、閉店していなければイクスピアリのパン店でピザを買い、食べつつ海を眺めて一人で過ごす事など。

むかしに、フレンチ修業中の18歳のゴエくんが、ラストオーダー後に何ヶ月も黄色いおしぼりをフライパンに乗せてオムレツを練習していて、そしてついに本物の卵のオムレツが完成した時。
記念にサインを求めて差し出したケチャップで彼はオムレツに顔を書きます。
営業後の深夜のひととき、従業員数人で食べたそのプレーン・オムレツが、私の今迄で食べた最も贅沢なたべものかも。

2006

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