隙間に入り込む(写真日記)
このごろも、カメラを持ち歩き昼休みと夕方にぶらぶらとする。
飲食店を出てから本来の時間となる。商店街を突き、路地裏を抜け、建物のあいだに通用口を見つける。これらは車で走り抜けると直線的に切り裂かれていく視覚であり、歩行、散歩はそれ自体ひとつの現在へと志向する仕草である。
ミラーが脱落したニコマートELを手に散策する。私には目測距離が分からぬ。腕を被写体に伸ばし、指先でだいたい70cmの深度という感覚と、それでも分からなければ被写体まで一度歩く。一歩がだいたい60cmだろう