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写真集

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フィルムカメラ(オリンパスOM-1、ペンタックスMX、キヤノンAE-1、コニカSⅢ、ニコンEL)で撮影した写真たち。
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2023年4月の記事一覧

【写真】モノクローム・モノローグ

艶のある黒。 植物群猥雑な、と言ってもいい。植物の直線的な意志はバタイユの思想の体現だった。 心象スケッチいつもの街歩きから色彩を奪うと異情に滑り込む。 車情ノーファインダ雨日傾斜左に傘を持って片手で撮るなら、カメラを斜めに立てて重心が垂直にした尺骨を伝って落ちる楽な姿勢。 夜に虚就く見出しタイトルは堀骨砕三の漫画から。漫画は閲覧注意。

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今回のその他写真

【写真】友部正人&矢野絢子のライブへそして高知県立美術館にて

4月16日、高知市は喫茶Spoonにて、友部正人×矢野絢子の2マンライブ「さみしがりの言葉たち」があった。 それは京都のライブハウス磔磔でのこと、友部正人手作りのポテトサラダ付きにまんまと釣られて高知から京都までわざわざ飛んだ日に「高知から来ました」とCDとサインを貰うときに伝えると、「こんど高知でもやるよ」と友部さんの言葉がきっかけだった。 後日、友部正人公式ページを見てみると、矢野絢子と共演するという。これは行かないわけにはいかない、そう思った。 このふたりのアーテ

【写真】異化、CineStill400D

梅田に行ったとき、八百富写真機店にてMARIX100Dと一緒に購入したカラーネガフイルム「CineStill400D」を使用してみた。三月末頃、FUJIFILMはカラーネガフイルムの製造を停止した。 それ以前からフジのみならず35㎜フイルムは店舗入荷も少なく購入本数も制限されていた状況で、年々の価格高騰も続いており、フイルムカメラファンにとっては更なる追い打ちとなっている。いま流通している在庫が消化されたら、しばらくフジカラーネガを目にすることがなくなる。なんとか状況が打開

【写真】ダム湖周遊

よく晴れた一日だった。 昼の時報のメロディを聴きながら、ようやく布団から起き、シャワーを浴びて外に出た。フイルムを入れて二日ほどおいたカメラを持って。モルトの加減が悪くないらしいことは前回の撮影で分かったものの、日をおいてもそうだという自信には欠けたため、少し時間をあけて撮影を再開することにしたのだった。 最近、安めのカラオケボックスができた。これはその帰りに振り返ったら雨と土とによごれたガラス越しにあった景色。 このところ雨が続いたのでカメラを安易に持ち出せなかったが

カメラにモルトを貼った話と結果写真

現在のメイン機NikomatELは中古で手に入れた当初からモルトがなかったため、今回まで入光部(裏蓋の開閉軸)に外から黒いビニールテープを巻いて遮光していた。 いちばん最初に試し撮りしたときにはこんな激しい感光があった。 その後に件のビニールテープで遮光性は得られたが、蓋の開閉のたびに剥がさなければいけなかったし、粘着剤も残ってべたつくようになってくるので、いずれはモルトを貼りたかった。 そうはいっても、モルトプレーンはそこらに売ってはいないし、ネットで購入するのも億劫

街歩き写真

並列するものは美しい。同じものがそのためにむしろ差異ばかり浮かばせてくる。 やっぱり植物は撮りやすい被写体ではある。 あなたたち、とてもかあいいわね。 そこにあって留まっているということに私は強く惹かれるらしい。どこかから来て、何者かの意志でそこあってあり続けている。 徒歩は映画のようにディテールを帯びて演出された現在を立ち上げ、そこの角から現われる景色を用意する。 ドライブイン廃墟にドライブインして、どこからか人影がする。見られている。

公園写真記

花の名前も知らない。 いつもの公園でまたカメラを構える。同じところを撮影していると、自分のカメラの癖に気づいて、つまらない写真ばかり撮っているという気にさせてくれる。どうしたら、異化できるのか。それを考えながら撮影することで、一歩踏み込める領域があるのかも知れない。だからいつもの公園に没頭してみることにしている。 春ですね。この公園でいちばん人の目を惹く桜。花を背景に自撮りしている女性に遭遇する。東南アジア系の方のように見えた。その写真はインスタに上げるんだろうか、それと

峠の道を撮影

イタドリがすくすくと伸び始めている。 峠の道は現在県道が走っている。今では車で走り抜けるばかりのこの坂道のふくらみに車を停めて、山手のほうを歩いた。名前を知らない花がきれいだったので、それを撮ろうと思ったのだ。 現在の県道は山を開削して道を造成していて、山と谷に挟まれた日照が少なかろう道だ。歩行路の向こうは谷になっていて、光を求めて木々が道路より高く伸びていて、暗くなる時分には少し怖い。 植物はとても素直だ。そこに芽吹いて、そこに導かれて、水が低きを選んで集まるように枝