無題の地理史

虫が走る
から止めてやろうとはなしたてでつぶした破片を見た時俺は母を思いだした。遠くへ行きたかった。そうして遠くを見ているうちに段差を踏み外し、太陽は落ち込み、夢想は夢想で終わるべき理由がある、それは合図であって、人生のスタート地点であり、そうしたら全てが始まると同時に過去の全ては捨てられた、乳飲み子である。俺はそれを踏み潰さなければならない衝動に負け、そのまま郊外の運転場まで走って走り抜けた。そこでは太陽が沈まない、晴れた宿がある。そこでは太陽は沈むことを許されない、架空の抒情詩であり、新たな時代を作るに足りる場所であることに変わりない。sunshine sunshine輝かしい夏、あれほどに地獄をオブラートに包み込む季節は1番俺を安心させる。そうして結局のところ落ち込むのは自我の本質がむき出しになるwinterであった。輝かしい夏がやってくる、俺の22の夏がやってくる。人生の地獄を夢見て、そのために来る刺客達にいかなる武器を用いようかと浜辺で考えている傍には菜穂子がたって本を読んでいた。これは大江健三郎氏の死者の奢りであった。俺は大好きなんだそれは、世界を包み込む実存地獄にはまりこむ俺を嘲笑う死体たちこそ可愛らしい可愛いわ大好きよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?