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無機質な部屋に機械音がリズムを刻み、 握りしめるマシュマロのようにふわふわした手は 力なく、温もりだけ帯びている。 体を起こし、話しかけると 1呼吸ずつ、ゆっくりと答え 子供の頃から大好きで堪らない 柔らかい笑顔で私を見つめる。 よく似た目によく似た口元。 あぁ、私はいつでも鏡を見れば、 あなたに会えるんだ。 邪魔になるからと 猫の毛のようなふわふわの髪を梳かし 2つに編み込む。 「女学生みたいね」 笑いかけると可愛く「うふふ」と笑う。 こんなに
ドクン ドクン 体の中を走る音は 時計のように 休むことなく 私の命を知らせている。 いつかその音が 飛び跳ね、狂った時を刻み出すと あなたの命の終わりを知らせる。 あなたの胸に耳を当て そっと目を閉じる。 無限の世界が広がりだす。 私があなたの一部なのだと理解する。 ありがとう。 ごめんなさい。 愛しています。 私の中を走る音が 強く、 強く、 そう、告げている。