舞台「MAPS」の話

「ここに一枚の地図がある」

もうDVD発売しているので、書いてもよかろうと思って、少年社中の第34回公演の「MAPS」の話をします。

キュウレンジャーですっかり「南、足りてますか?」に「はい!」と答えざるをえなくなって、ファイナル(東映特撮特有の、番組放送後のツアー)には行けなかったし……とうじうじしていたら、南圭介が摂取できると知り、思わずチケットを手に入れてしまう私。

舞台はあまり場数を踏んでいるわけではなく、少年社中の舞台を見たのは「パラノイア★サーカス」を動画で見たのみ。(TTFCで無料配信していたのだ)でも、まあ毛利さんと南圭介なら、まあ安心だろう。南圭介のことはキュウレンジャーでしか知らないけど……。

……観に行った結果、やっぱり大好きになってしまった。「精神的な問題として、漫画家が創作に行き詰った話」と言えば済む話なのだろうか……。こう書くとあんまり面白そうには聞こえないけれど。

南圭介が演じる「漫画家」を基本軸として、自分が想像したキャラクターの冒険譚が二つさらに掛け合わせることにより、虚実が混濁していくスリルとでもいえばいいんだろうか。心のなかの感情が分裂して暴れだすとき、虚構の世界と現実の世界が交錯する。そのあわいを、私たちは目撃するのだ。

また、この舞台の装置が面白い。積み木の山を、出演者たちが場面転換するたびに形を変えていく。(DVDのボーナストラックにその模様が収録されている)創作という箱庭を象徴的に画にした感じが、また別のわくわく感を連れてくる。

創作をやっている人間なら、間違いなく心打たれる作品である。観てほしい。物語に溺れる人間たちの箱庭をのぞく瞬間が、いとおしくなる。


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