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食べられなくなったあなたへ

知り合いの女の子。

精神科へ入院して2ヶ月になる。

ずっと食事を取れなくなって、やむなく入院した。彼女はそこではもう常連で、病院の人達も皆知り合いだ。

彼女は20代後半だが、「高校生の頃、当事付き合ってた彼氏の元カレを見た時から、なんだか食べられなくなっちゃったんですよね〜」と以前話してくれた。それから、ずっと食べられなくて。少しは食べるけれど、お腹にたまるのが不快で、それからずっとかなりの少食を続けている。

お料理がうまくて、ケーキもプロなみに作れるような彼女。以前はそれでも楽しく皆で食事に行ったものだ。いつも笑顔で明るかった。

でも、お酒が入ると「幸せなんですよ。いま。とっても幸せなのに、なんだか死にたくなっちゃうんです」と言っていた。

そんな時、その言葉の裏には彼女さえも理解できない闇があるように感じられた。

見舞いに行くと、点滴したまま、ふらふらと歩いて来てくれた。普段もアナ雪のエルサのように細かった彼女は、一段と痩せていた。歩くのも、しんどそうだった。

笑顔で10分ほど話して別れた。

正直言葉が出なかった。痛々しくて。


食べられなくなると、頭では理解できていても、脳が受け付けなくなってしまうそうだ。

食べることは生きること

普段当たり前過ぎて気づきもしないけれど。


また死にたくなっちゃってるのかな。

でも、生きててね。みんなで待ってるよ。だって、みんなあなたの事が大好きだから。きっと、また笑い会える日々がくる。

そう信じて祈っている。







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