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偏愛を語る vol.5 〜伊坂幸太郎〜

高校生の頃、学校の図書館で本を読み漁っていた。
新刊も割とすぐに用意してくれていたのが図書館の良いところだった。

小説は、自分が監督になって作った理想のカットで物語を進めていけるのが良い。
全部自分のイメージする風景、自分のイメージするキャスト。
小説なら、すべてが思い通りなのだ。がはは。

でも、理想のカットが崩れることも多くある。
それが世に言う、伏線が回収されたとき。

伊坂作品は、伏線回収がすごく秀逸なんだよなぁ。
加えて、伏線回収を通して伝えたいメッセージが優しい作品が多い。

伊坂作品で最初に読んだ本は「アヒルと鴨のコインロッカー」。
大学生の椎名が、アパートの隣人の河崎に「一緒に本屋を襲わないか?」と誘われ、本屋を襲うところから様々な思いが繋がっていくストーリー。
最後に、驚きと、優しさと、切なさがブワァァッと一気に来る。
読み終わったときには、伊坂作品の虜になってしまっておりました。

語弊を恐れず言うと、伊坂氏は、とても人間らしい方だと思う。
元々仕事だったSEを、目が疲れすぎて限界を感じ辞めようと決断したり、斉藤和義の「幸福な食卓、退屈な夕食」を聴いて、専業作家になることを決意したり。
何か重要な決断をするのに、何か世間に胸を張って言えるような大層な理由なんて要らないんだよな。

作品を作る時は、仙台のカフェを転々とされるという。
いつか、仙台に行ってみたい。

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