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「俺たちは離れても何も変わらない」?

「地元に戻るかもしれない。」

ある日、彼は朝の電話でそう告げました。

こう考える人もいます。

”この時代、遠距離恋愛なんてものは存在しない。”

飛行機も新幹線も発達したこの時代に、遠距離恋愛なんてものは存在しないのだと。会いたいのなら、会いに行けよ、と。

遠距離恋愛。みなさんはどう思うでしょうか。

映画を見ていてよくあるのですが、しばらく離ればなれになる恋人たちが最後に言葉と交わすシーンで、「離れても何も変わらない」というセリフがあります。このセリフ、いつもいつも、いつも男性側が言うのです。

このセリフを耳にするたびに、なぜ恋人は自分から離れていかない、とそう思っているのだろう、と不思議に思います。物事は、間違いなく刻一刻と変化をしています。人の気持ちも。いやでも変わっていくのです。

もちろん側にいたって、誰かに心変わりをすることだってあるじゃないか、という声もあるでしょう。もちろん、その通りです。だからそうならないためにも、日々の恋人のちょっとした変化に、敏感でなければならない。でも、なかなか会うことができないと、恋人がなにを考えているのか、雰囲気で表情で、くみ取ることができなくなってしまう。

大切な人と距離が離れて、会いたいと待ち望む日々がいつ終わるのかわからない、そんな状況がずっと続けば、心は疲弊していきます。知らず知らずのうちに。「自分がそばにいなくたって、あの人は大丈夫みたい。」私たちは誰しも、誰かに必要とされたいと願っているはず。

新たな道を選ぼうとしている彼。ちゃんとわかっているのだろうか。物事は変わっていってしまうということ。その人の意思とは関係なしに。良くも悪くも。

根拠も確定した約束もない、「何も変わらないから、大丈夫。」なんていう自分よがりな考えは、いつか誰かを傷つける。

2020/04/03 Hana

アネモネの花言葉は「あなたを信じて待つ。」



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